【大学生読書】元理系大学院生の毎年の読書記録とおすすめ本の感想

おすすめ

幼少期から本を読むのが好きで、大学生や社会人になってもできるだけ本を読むように心がけています。

好きなジャンルはフィクションですが、最近は社会学や歴史ものも面白いと思い始めたり…

これまでで面白かった本はここ→【大学生おすすめ本】読書好き理系大学生のおすすめ一覧(年代順)

2021年に読んだ本一覧

2021年のおすすめ本

最後にして最初のアイドル

夢破れて自殺したアイドルが仲間の手で復活し、もろもろの過程を経て全宇宙のアイドルになる話。

ポップな表紙と違い中身はかなり混沌、衝撃は強いですが読者を選ぶ作品なのは間違いないでしょう。

二次創作からここまで派生する恐ろしさ、ワイドスクリーン・バロックを知るきっかけになった作品。

アームストロング砲

明治維新、日本に先駆けてアームストロング砲を研究し実用化した佐賀藩の技術者たちの波乱の人生。

アームストロング砲実用化は歴史家で意見が分かれているそう、技術者たちの最後が凄惨すぎる…

歴史に埋もれた人物たちの短編集で、他は裏社会から武士になった”侠客万助珍談”も良かったです。

Fintechの基本と仕組みがよーくわかる本

Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた、発展途上国を中心に広がる新しい技術を紹介します。

どうして考え付かなかったのかというアイデアが、既存基盤がないアフリカを中心に広がっています。

PancakeSwapをはじめとしたDefi関連の理解の助けになるとは、当時は全く考えもしなかったですね…

オリエント急行の殺人

ミステリーは江戸川乱歩以外はあまり読みませんが、十角館の殺人以来の面白かった作品でしょうか。

ネタバレになるので詳しくは書けませんが、ハンカチの推理は知っていた知識もあり面白かったです。

”そして誰もいなくなった”と並んでミステリーの常識を覆す作品だと思いますが、そこがまた面白い!

何者

就活を共に行う4人の大学生が互いの内面を探りながら、危ういバランスで明かされるそれぞれの事情。

日本の就職活動において同じ格好をして同じ発言をする、自らを偽る就活生が題名にぴったりです。

作品を通してギシギシとなる彼らの関係が最後に展開を見せる場面では、ゾクッとしましたね…

サラ金の歴史

悪徳商法として叩かれがちな大手サラ金を、個人貸しが一般的だった頃から今まで振り返ります。

物心つく前から両親に借金、サラ金は悪だと教わってきたのでほぼ触れないで過ごしてきました。

一方で街中で目立つ看板、子供にも覚えやすいCMを打つ企業は確実に記憶に植え付けられています。

アボカドの歴史

小学生の頃に”森のバター”というのぼりを見たのがアボカドとの初めての出会いだったでしょうか。

謎の果物が一気に有名になったのをリアルタイムで見たため、歴史に非常に興味がありました。

日本ではスーパーフードの代表格ですが、元は中南米の貧しい人の食材だったというのが意外でした。

コインロッカーベイビーズ

コインロッカー遺児の生き残り、ハシとキクが幼少期に受けた催眠療法による数奇な運命を辿ります。

個人的にかなり難解ですが、作中に漂う哀愁が非常に心に刺さったのでおすすめとして紹介します。

村上は村上でも春樹氏の方は個人的にかなり理解しやすいと感じるので、この作品も人によるのか…?

そうだったのか!現代史

歴史の知識が中学生レベルで停止し、さらに卒業が近づくので現代史はほとんど教わっていない記憶。

文化大革命と天安門事件が同じものだと思っており、東南アジア諸国への社会主義進出も知らず…。

縄文弥生時代を教えるよりも近現代史を教えたほうが、ニュースもわかるし役に立つと思います。

三体

三体星人により地球文明は量子科学以降の発展を妨げられ、侵略に対抗するため”面壁計画”が開始。

題名になっている「三体問題」や「暗黒森林理論」など、理系なら聞いたことがある言葉も多いかも。

量子科学以降の発展できなかった前提から、実現しそうな未来のアイデアがたくさん出てきて面白い!

2022年で読んだ本

https://itsuki-campuslife.com/%e3%80%90%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e7%94%9f%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e3%80%91%e7%90%86%e7%b3%bb%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%8c%e8%aa%ad%e3%82%93%e3%81%a0%e6%9c%ac%e3%82%92%e5%85%a8%e9%83%a8%e7%b4%b9%e4%bb%8b/

2022年のおすすめ本

失楽園

高校生徒の時に新聞に著者の訃報が出ているのを見てから、ずっと気になっていた作品を読むこと叶いました。

本作品が不倫を扱っているのは知っていましたが、なかなかに生々しい作品で一種の恋愛ものとして読めます。

不倫というと周囲を巻き込む印象ですが、孤立したがゆえに結びつきを深くする二人の描写が心に響きました。

華氏451度

華氏451度は紙の自然発火点で、焚書が行われている世界で本を焼く主人公が体制に疑問を持ち始める話です。

同じようなディストピア作品である「1984年」では主人公の意志は折られますが、今回はハッピーエンド?

それぞれが本を記憶して書籍を復元する考えは、思想は誰にも奪えないことを意味しており心が熱くなります。

一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書

海外旅行に行くといかに自分が母国について知らないかを思い知らされ、勉強しようと決意して借りた一冊。

年号はある程度分かれば良く、各時代のトップに焦点を当てるまとめ方は非常にわかりやすくおすすめです。

世界史はどうしても地域が分かれるのでいまいち、最低限の元号を抑えておけばいいのかなという理系の感想。

宇宙の戦士

父親に薦められて読んだ作品で、ガンダムなどの原案となったパワードスーツが登場する星間戦争SF作品。

初期版ではスーツの挿絵は存在せず、ロボットよりも国家のために命を捨てるトップガン的なストーリー。

平和な時代で軍隊経験がないのもあり、ここまで命を懸けられる共同体というものにも少し心が惹かれたり。

バッタを倒しにアフリカへ

現代文の授業か入試関係で少しだけ読んだような記憶があり、タイトルが目に入ったので借りてみました。

表紙の写真とは異なり、少ない予算の中でいかに自分のやりたい研究を行うかという研究者視点が多いです。

はじめはバッタに出会えなかったりひょんな出会いから研究が進んだりと、これぞ研究者!と共感できます。

チェ・ゲバラ伝

大学の文系授業でラテンアメリカについて学び、名前だけ知っていたチェ・ゲバラについて興味が湧きます。

思ったよりも最近まで生きていた人物で、日本にもキューバの工業促進のために訪れていたのが驚きでした。

裕福な家庭ながら虐げられるものの味方となり、世界中で革命家として活動した彼の人生は壮絶なものです。

ザ・ハウス・オブ・トヨタ

社会人の方にすすめられて読んだ作品ですが、トヨタという日本を代表する企業のすごさがわかる一冊。

本を読むまではトヨタ自動車は初代喜一郎氏、二代目章夫氏だと思っていました(そんな訳がないけれど)

若者が希望を持ちにくい現代において、日本の産業を引っ張る代表企業としての苦難と努力を垣間見れます。

新・地政学

ちょうど中国やウクライナ関係で「地政学的リスク」という単語を聞くようになり、題名から興味を持った本。

掲載されている単語が全て初耳で、「ランドパワー/シーパワー」という非常に面白い分類の存在を知れました。

具体的にそれぞれの国家の戦略や移り変わりを、歴史上の出来事と組み合わせて説明してあるのが良かったです。

同志少女よ敵を撃て

2022年度の本屋大賞に選ばれた作品だけあり、万人受けする面白さと本好きがうなる構成や描写もあって〇。

同じ戦場の物語として「戦場のコックたち」をほうふつとさせる組立てでした(「戦場のコックたち」も面白い)

戦争という非日常において進んで人を殺すという非日常の描写ですが、基本的には安心して読める作品かな?

徳川家康

読み終わっていないので入れるか迷いましたが、現時点で非常に面白いのでおすすめ入り(現在14巻/26巻)

歴史小説は苦手意識がありますが、司馬遼太郎作品から少しずつ挑戦し本作品を進められて読み始めました。

織田信長、豊臣秀吉の後釜としてうまく天下統一したイメージでしたが、その人生は計算と忍耐の日々でした。

2023年に読んだ本

2023年のおすすめ本

2024年に読んだ本

2024年のおすすめ本

トヨタ生産方式

生産管理という職業についていると必ず一度は耳にする「トヨタ生産方式」。その生みの親による著書。

トヨタ生産方式はジャストインタイムと自働化の二本柱ですが、表面だけ見ても意味はありません。

言われてみれば確かにと思いますが、フォード式を進化させて現在の形にしたのはマジで偉大過ぎる。

知っトク介護

親の介護というほぼ避けては通れないイベント、意外にそれは早くやってきて対策ができなかったり。

まずは地域包括支援センターに行くこと、そしてこの本を購入して復習をすれば大丈夫そうです。

緊急時というのは判断力が鈍り、それをかぎつけた詐欺まがいの業者もたくさんいるので要注意です。

大地の子

紹介してもらった白い巨塔に感銘を受け、2024年夏休みは旅行しながら勝手に課題図書に任命しました。

あまりにも過酷すぎる中国残留孤児と、国家の威厳と民族の確執の中でもがく技術者たちが圧巻です。

大きなプロジェクトに関わっている人間がプロジェクトXの大人版を観たらこんな気持ちになるのかな…

〈寝た子〉なんているの?

そこそこ話題になった部落差別の書籍ですが、著者が当事者2世ながら実害を感じていないのが新鮮。

他人事のようにとらえていた部落問題に触れるうちに、憤りと共に現れる違和感が興味深かったです。

「部落差別をしてはいけない」という問題の中には部落を知る必要があるのは当たり前だが大切な視点。

かわいそうだね?

世の中のモヤモヤを心の中に抱えながら生きる女性っていうのはかなり多いのかな…と思いました。

テレビのようにスカッとするわけでもなく、悩みを解決してくれる王子さまは現れないし…

もがく女性を見ると、男性は何にも考えていないのかな、けど女性が考えすぎなのかな…なんて思ったり。

2025年に読んだ本

https://itsuki-campuslife.com/review-book-realtime-2/