【東京理科大学】長万部キャンパスが閉鎖?基礎工学部はどうなる?

大学生活

東京理科大学のキャンパスの中には、北海道の「長万部(おしゃまんべ)キャンパス」があります。

北海道で1年間、全寮制生活を送る特殊なスタイルから理系受験生なら一度は聞いたことがあるのでは?

2020年に長万部キャンパスのシステムが変更されるので、長万部キャンパス出身の大学生が語ります!

※追記:長万部キャンパスへ行くのは経営学部国際デザイン経営学科の1年生になりました。

長万部キャンパスの概要

長万部キャンパス

名称は「東京」理科大学ですが所有するキャンパスは神楽坂、葛飾、野田(千葉)、長万部(北海道)の4つです。

諏訪東京理科大学、山口東京理科大学はかつての系列校ですが、岡山東京理科大学は全くの無関係の大学です。

今回注目するのは、なぜか北海道の長万部町に存在する「東京理科大学 長万部キャンパス」となっています。

長万部キャンパスの場所とアクセス方法

長万部キャンパスは、北海道の札幌と函館の間にある人口5,000人ほどの長万部町の高台の上に位置しています。

由利徹のネタ「おしゃまんべ、くっちゃん」で有名ですが、かつては温泉街として栄え毛がにが名物の町です。

2022年9月には突如温泉水とみられる水柱が出現し、全国ニュースで取り上げられたことで有名になりました。

北海道 長万部町 「水柱」止まる 噴出口にカメラ入れ調査|NHK

長万部キャンパスの歴史と設立背景

なぜこんな場所に理科大がキャンパスを作ったのかは、長い間謎であり、いまだに本当のことがわかりません。

長万部時代に「工場跡地の誘致とキャンパス増設の思惑が一致した」と聞きましたが、おそらく葛飾の間違い。

ネットを隅々まで調べて国土地理院の航空写真まで調べましたが、はっきりとしたことはわかりませんでした。

追記:ようやく当時の背景が明らかに(国鉄関係者の減少と大学の教育方針が一致したことで実現したらしい)

33年の歩みを未来へつなぐ 持続可能な町に向けた東京理科大学と長万部の挑戦|Takibi connect 長万部町

長万部キャンパスに行く学部

長万部キャンパスに行くのは東京理科大学の「基礎工学部1年生」でしたが、学部再編に伴い変更がありました。

2023年からは経営学部国際デザイン経営学科の1年生が、その後は留学生も長万部キャンパスにやってくるそう。

2年生以降は留年しても葛飾キャンパスに移動するため、長万部キャンパスでの生活は必ず1年間です。

基礎工学部は融合分野で生物工学科(TB)、材料工学科(TM)、電子応用工学科(TE)毎年300人ほどが毎年長万部へ。

現在は先進工学部、マテリアル創生工学科、生命システム工学科、電子システム工学科+2学科が追加されました。

長万部キャンパスの特徴

長万部キャンパスに行く学部

小さな町のキャンパスゆえに進学を躊躇する人も多いですが、日本ではなかなかできない体験ができます。

長万部キャンパスにいる期間も1年間(さらに長期休暇中は閉寮)と程よく、行って良かったと感じています。

余談ですが、長万部キャンパス出身者の多くが東京に戻ってきた後に長万部キャンパスを訪れるくらい人気(笑)

全寮制度とクラスター

何といっても長万部キャンパスの特徴と言えば「全寮制」と「クラスター」という制度です!

基礎工学部の学生は、自宅がどんなに大学に近くても全員が寮で生活することが決められています。

寮は基本4人1部屋で、4人×4部屋の16人を「クラスター」という1グループとみなしていました。

各クラスターはラウンジ、テレビ、キッチン、洗濯機、パソコンなどを共用し、共同生活を行います。

一緒に1年間生活していく仲間は入学式までわからないので、その時までの楽しみです…!

上下関係がない

長万部キャンパスで勉強するのは、基礎工学部の1年生のみです。

留年しても葛飾キャンパスに行くため、長万部キャンパスにいるのはその年にやってきた1年生だけ。

先輩、後輩などの関係を面倒に感じる人にとって、長万部キャンパスの特殊な環境は魅力的では?

先輩がいないため、サークルの立ち上げや学寮祭の計画などは学生が一から計画し実行します。

地域住民との距離が近い

長万部町で理科大生の人数は圧倒的で、18歳選挙権が認められると学生だけで当選者を決定することが!

(実際には住民票移動と学生の選挙への関心から大きな事件は何も起こりませんでした)

北海道という自然豊かな立地を生かし、キャンパス内のゴルフ授業やリゾート地でのスキーの授業も。

長万部町ともつながりが深く、町民と合同参加の登山、花見、小学生理科講座の開催などもあります。

2ヶ月の長期休業中は寮が閉鎖され、北海道で農業アルバイトや北海道旅行に挑戦することもできます!

長万部キャンパスでの生活

長万部キャンパスの特徴

長万部を知らない人に、概要を説明するだけではキャンパスの良い所を伝えるのは難しいと感じていました。

また今回のコロナにより、残念ながら長い間続いてきた長万部キャンパスの伝統が打ち切られてしまいました。

もっと長万部の魅力を伝えるため、「釣り」「雪」「野生動物」というテーマで日常風景を描いてみました!

釣りに行こう

長万部キャンパスは海がかなり近いため、学生の中には初めて魚釣りにチャレンジする人もいます。

長万部町は由来が「アイヌ語でオ(川口)シャマンペ(鰈)」であるくらいにカレイがよく釣れるようです。

ただ釣具店が2店舗、防波堤まで歩いて30分、捌く場所が「エソール会館」だけと、ハードルが高め。

また毎年一定数のサケハンターがおり、平日でも授業のない日に竿を背負っているのを目撃することも。

多くが手ぶらで帰る中、得意そうに大物を持ってきた人は有名人になり、夜食が石狩鍋になります。

釣りが盛んになり門限以外にも、朝の何時から寮を出て良いかという規定を作ることになりました。

周りが明るくなってから、という規則に「定性的で根拠がない」と突っ込みが出るのはさすが理系。

「〇〇ルクス(忘れた)」「手のひらの10円玉を目視で確認できる明るさ」に変更されました。

雪が降ってきたよ

北海道の醍醐味といえば雪で、新潟県民を除き冬には一面の雪景色につい童心に帰ってしまいます。

朝早くに寮の外を見ると、黄色いランプを光らせた巨大な除雪車が寮の前を走っていくのが見えます。

雪だるまやかまくらを作ったり、人の部屋に雪玉を投げ込んだり、濡らしたシャツを凍らせたり…

中にはキャンパス内の坂でスキー、階段に雪を積んでジャンプ台を作る命知らずもいましたね!

寮母さんに大目玉を食らい、3号棟→体育館の坂には「スキー禁止」の札がたちました(笑)

また学生寮には共同の冷蔵庫しかありませんが、冬は部屋の二重窓がキンキンに冷えるます。

窓の間に飲み物を入れておけばすぐに手の届く自然の冷蔵庫になり、非常に便利でした。

クラスターでの夕食の帰りは戦いで、少しでも気を抜こうものなら同輩に雪の上へ放り出されます。

長万部キャンパスのルール「冬に1人で酒を飲まない」は該当者に何度も伝えられる重要規則。

冬の北海道は外で寝ると凍え死ぬため、飲みや食事の際はツーマンセルで行くようにという指示も。

動物との出会い

「ポケモンGOをしていてクマに出会った」という事件で有名になってしまった長万部キャンパス。

クマは珍しいですが(ただ出会う人は出会う)、本州では珍しい動物に出会えることもあります。

最も目撃されるのがキツネで、「長万部学寮物語」に出てくるキツネの巣も実際にありました。

またキャンパス内の陸上競技場には毎朝大量のカモメとカラスが集まり、芝生は異様な景色となります。

他には近くにある「ホタルの里」に連れていてもらってたくさんのホタルを見たりもしました。

農業アルバイトや北海道一周旅行ではタンチョウ、クマ、シカ、ネズミ、タカなどに出会えます。

長万部キャンパス廃止?!

長万部キャンパス廃止?!

特殊な状況から基礎工学部と長万部キャンパスは高校生や大学生にネタとされつつも愛されてきました。

しかし大学の経営方針により2020年で「長万部キャンパスの基礎工学部」が消滅することになりました。

基礎工学部は「先進工学部」となり、かわりに経営学部と留学生が長万部キャンパスで勉強します。

「先進工学部」とか分かりづらい、なぜ日本に来た外国人を隔離するかが謎すぎます…続報に期待!

長万部キャンパスの国際教育の拠点化について

(1) 2021年4月に、国際的な経営を学ぶためのコース(1学年約120名を予定)を経営学部に開設する。同コースの1年次教育は、長万部キャンパスで全寮制教育として行う。

(2) 2022年4月に、留学生を対象としたコース(1学年約80名を予定)を理工学部に開設する。同コースの1年次教育は、長万部キャンパスで全寮制教育として行う。

https://www.tus.ac.jp/today/archive/20180726100.html

長万部キャンパスから学生が消える

新型コロナウイルスの感染に伴い、2020年度の基礎工学部は葛飾キャンパスで全ての授業を実施中です。

基礎工が先進工になる前に「長万部に行かなかった基礎工学部」という新たな分類が生まれました…

これで長万部に行った基礎工学部生は33期生でストップしたことになるのかな…?

国際デザイン経営学科の受け入れ開始

コロナウイルスがある程度収まったため、2024年4月から長万部キャンパスでの受け入れが再開される予定。

個人的にも長万部キャンパスでの新しい生活が気になるので、誰かブログをやってくれるといいな…!

長万部キャンパス参考資料(笑)

長万部キャンパス参考資料(笑)

長万部キャンパスは特殊性から多くのメディアに取り上げられており、その一部を紹介していきます。

これらの資料から少しでも長万部キャンパスについて知ってもらえたら嬉しいです!

多くが理科大生による書き込みですが、愛のある自虐ネタが多い内容となっています。

いろいろ書かれていますが、真に受けないように注意しましょう(笑)

個人的に好きなのはアンサイクロペディアと「東京理科大学長万部学寮物語」ですかね!

長万部町ホームページ(外部サイト)

東京理科大学基礎工学部HP

あまりの特殊性から、理科大のHP以外に基礎工学部のHPが独立して存在します。

2018年(僕らの代)に新しく撮影し直しているので、イメージは大体こんな感じ。

空にドローンを飛ばして学生みんなで走ったのは結構楽しかったですね!

東京理科大学 長万部キャンパスHP(外部サイト)

東京理科大長万部学寮物語

長万部キャンパスの教授が執筆した小説で、長万部にやってきた学生の1年間を物語として書いています。

学生実験や地元の人との交流、作中に出てくるキツネの巣など、かなり忠実に描かれています。

実際に長万部キャンパスで過ごしたことのある人なら絶対共感できる内容なので、もっと広まれ…!

アンサイクロペディア

完全にネタ枠ですが、読んでいてうなづけるところも。

長万部キャンパスは「長万拘置所」して収録されています!(くれぐれも真に受けないで下さい)

2020年の新型コロナウルスに伴い、文章が追加されていることが確認されました!

アンサイクロペディア「長万部拘置所」(外部サイト)

2ちゃんねる

5ちゃんねるも見てきましたが、まだあまりスレは立っていない模様です。

過去のスレからまともそうなのを拾ってきました。

意外にまともなスレが多い。

5ちゃんねる(外部サイト)

リマンべ

長万部の情報をまとめたサイトで、東京理科大学の記事も必然的に多くなっています。

理科大生による18歳選挙権獲得の記事をこのサイトが公開して日本中の話題になりました。

長万部キャンパスだけでなく、長万部町の観光スポットやイベントについての記事も充実しています。

Remanbe 〜リマンべ〜(外部サイト)

元長万部キャンパス勢として

広大な自然に加え、全寮制生活や様々なことに挑戦できる環境が長万部キャンパスにありました。

周りの目を気にしないで良い空間で、いろいろなことにチャレンジしたい人にはおすすめです。

北海道自転車一周をはじめ、長万部での生活は僕のその後の考え方を変えてくれるものでした。

それだけに、基礎工学部が長万部キャンパスに行かなくなることがすごい残念です!

何か質問などあったらわかる範囲でお答えしますので、ぜひコメントなど戴けると嬉しいです!

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