【宇推くりあ】ロケット工学Vtuberの紹介と、配信前に押さえたい基本知識

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Vtuberが好きで良く見ていますが、にじさんじやホロライブなどの企業勢以外にも、最近は個人勢が多めです。

個人勢の中でも特定の分野に全振りした「学術系Vtuber」が面白く、個人的に推したいのがロケット工学Vtuber。

ロケット工学系Vtuber「宇推くりあ」さんの紹介と、配信を見るうえで知っておきたい知識をまとめてみました!

宇推くりあ(うすいくりあ)

ロケット工学アイドルVtuber🚀❤️‍🔥惑星クラリスからスクールアイドルに憧れて地球に来た宇宙人だよ🛸 世界中のロケットの打上を実況解説✨

https://twitter.com/clearusui
Youtube宇推くりあ -★Clear Rocket ch.★-
Twitter宇推くりあ🚀❤️‍🔥ロケットアイドル /
ClearLaunch🚀(打ち上げ情報)
その他SNS微博:宇推Clear
Twitch:宇推くりあ🚀❤️‍🔥ロケットアイドル
ハッシュタグ配信タグ:#りあライブ
ファンアート:#くりあファイル
愛称りありー、くりあちゃん、りあちゃん、宇推女史
ファンについてファンの呼称:くりあ星団
ファンマーク:🚀❤️‍🔥
配信の挨拶等待機圏:大気圏
こんばっしょん:Combustion(燃焼)
お疲れさまーりん:マーリンエンジン(SpaceX社製)
おやすみソニアン:スミソニアン国立航空宇宙博物館(アメリカ)
ばいばいコヌール:バイコヌール宇宙基地(ロシア)
ありが長征:長征(中国製ロケット)
タワーくりあ!:ロケットがタワーを越えるとき
くりあ max Qute!:max Q(最大動圧点)に達したとき

宇推くりあとは、個人勢のバーチャルYouTuber。2020年10月11日に初配信。主な言語は日本語。

ロケット・人工衛星に特化している天文系であり、打ち上げの同時視聴配信に関して英語やロシア語などの海外の言語もある程度聞き取ることが可能。専門性の高い知識をわかりやすく解説をすることもあり、ロケットの専門家も注目することがある。

ロケット打ち上げや人工衛星帰還以外の主な配信ジャンルは、雑談配信や歌枠・ゲーム。ラブライブシリーズの同時視聴も行う他、スクフェスでのガチャ配信が主。宇宙兄弟の他、仮面ライダーや戦隊ヒーローの特撮や、ガンダムシリーズはファーストと水星の魔女ならばも守備範囲である。
ごくたまにオカリナを演奏することもある。

https://dic.pixiv.net/a/%E5%AE%87%E6%8E%A8%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%81%82

ここが凄いぞ宇推くりあ

過酷な配信環境

お披露目以前のテスト配信では、初回配信から4連続でロケット打ち上げ延期と失敗を経験する羽目になります。

デビュー前の配信では段ボールの上や、ネットカフェからの配信を行うなど配信における環境も過酷そうでした。

最近はSpaceX社の打ち上げが多すぎて配信が過密になったり、Starlink持ち込みの過酷な配信環境での苦労なども。

宇推くりあって何者?

モデルや衣装のデザイン、イラストや歌もうまくオカリナも演奏でき英語、ロシア語などもできるかなりの多才人。

興味もロケットにとどまらず、飛行機、自動車、気象情報など、Twitterでは彼女の正体を探るツイートも多数あり。

パンジャンドラムやシールドマシンにも造詣があり、H3打ち上げ応援”企業”にも参加しておりその正体は不明です。

H3ロケット試験機1号機応援サポーター|JAXA

ロケットに関する知識量

ノーズコーン

ノーズフェアリングともいう。ロケットの頭部の部分で,大気中を飛行するときの空力加熱 (くうりきかねつ) や熱衝撃などからペイロードを保護するために取付けられる円錐形のカバーをいう。

MIB 宇宙

SF映画「メンインブラック」のラストシーンで登場する、宇宙が詰まったビー玉のようなもの。

インデューサー

ロケットエンジン用ターボポンプにおいてチャビテーションを防ぐために取り付けられる羽根車。

RCSクラスタ

宇宙船のサブシステムの一種である。その目的は姿勢制御と操縦である。

重力ターン

天体の周回軌道に宇宙機を投入、もしくは逆に周回軌道から宇宙機を着陸させる際におこなうマニューバのひとつであり、重力を使用して機体を目的の軌道に誘導する軌道最適化のひとつ。

ISS

国際宇宙ステーション(International Space Station)の略で、上空約400kmに浮かぶ宇宙実験施設。2030年に運用が終了する予定。

クラリス

宇推くりあの出身星。

自由遷移軌道

該当語が見つからず、静止遷移軌道かな?

人工衛星を静止軌道にのせる際、一時的に投入される軌道。ロケットを打ち上げて一気に軌道高度が高い静止軌道にのせることは力学的に困難なため、近地点高度が数百キロメートル、遠地点高度が静止軌道と同じ赤道上空約3.6万キロメートルという細長い楕円軌道に投入させる。

追記:コメントいただきました!

一般には「自由帰還軌道」と訳される”Free-return trajectory”のことのようです(画像は「Mission Profile for First Crewed Flight of Orion」、オリオン宇宙機の月有人飛行で使われる軌道の解説図ですね)。
例えば地球から月に行って帰ってくるとき、月の重力で自然に帰りの方向転換を行い推力を使わず帰途につくことができる手間いらず(Free)の軌道だとか。

Oリング

断面がO形の環状パッキンで、流体やほこりを密封します。さまざまな使用条件に適した豊富なゴム材料をご用意しています。

アイソグリッド構造

は連続した正三角形の補強部分(リブ)を伴う面で構成される軽量化と強度を両立した構造である。

ショックダイアモンド

超音速ジェットエンジン、ロケット、ラムジェット、スクラムジェットなどの航空宇宙推進システムの超音速排気プルームが動作するときに現れる定在波パターン。

ロケットに「ちゃん」を付けてロケット着陸船の擬人化企画を行うほどのロケット好き、脱線することもしばしば。

Live 2D衣装にもあふれるロケット愛を注ぎ込み、Vtuber衣装コンテストでは優勝という結果を残しています。

イプシロンロケットの異常にいち早く気づいたり、H3ロケットの打ち上げ中止理由を考察したりと専門性がすごい。

個人VTuberが宇宙ロケット打ち上げ中止の経緯を解説 あまりにも詳しすぎて話題に

アイドルとしても活動

可愛さよりも専門性を求める学術Vが多い中、ラブライブの矢澤にこを崇拝しアイドル活動にも力を入れています。

打ち上げ視聴後にあるロケットとの撮影会、配信前後の挨拶、歌枠などで視聴者サービスもたくさんしてくれます。

2022年8月にはオリジナルソングを作成するクラウドファンディングにおいて、目標額の359%を達成しています。

昭和曲が得意な歌謡Vtuberの宇佐木そらさんとのユニット「Clear∅Sky」を結成しアイドル活動も行っています。

【宇推くりあ】みんなと叶えるロケットアイドルソング!初オリジナル楽曲制作プロジェクト!

航空宇宙のイベントに出没

宇推くりあさんはロケットにとどまらず飛行機や鳥人間コンテストにも造詣があり、関連配信も行っています。

H3ロケットの配信で知名度が上がり、配信だけでなく関連のイベントに実際に登場することも増えてきました。

内閣府主催の「第6回宇宙開発利用大賞」のイメージキャラクターにも採用され、その活動は無限大に…

宇宙開発利用大賞について|内閣府

急激に広がる知名度

H3ロケット初号機の打ち上げあたりから万バズを繰り返す宇推さん、知名度が一気に上がってきています。

Vtuberグループ「.LIVE」のメンバーやJAXAのイベント、藤原竜也さんやライブライブ声優などコラボ多数。

個人勢Vtuberとしては怒涛の進撃を行う宇推くりあさんは、今後の活躍からも目が離せません!↓コラボ相手

  • 堀江貴文さん(インターステラテクノロジズの取締役・ファウンダー)
  • 藤本正樹さん(宇宙科学研究所副所長)
  • 藤原竜也さん(俳優)
  • 飯田里穂さん(「ラブライブ! School idol project」星空凛役)

宇推くりあさんのメッセージ

彼女は配信中でたびたび、「ロケットの打ち上げが飛行機のように当たり前になること」について言及しています。

ロケットは荒唐無稽な夢物語ではなく、また単に「成功/失敗」と断じるものでもなくもっと理解してほしいとも。

世界ではたくさんのロケットが打ち上がっていることを知り、より身近なものとなるように配信を行っています。

宇推くりあの中の人

宇推くりあさん曰く「中の人なんていないよ!」とのことですが、配信には謎のおじさんが登場します。

彼「宇推 晴輝」さん、実はリスナーがお絵描きAI「お絵描きばりぐっどくん」が生成した画像でした。

「ちゃん」付けしても生成してもおじさんの画像が出力されることから、もはや本人もネタにしています。

過去のバズツイ

宇宙産業がアツい!

小惑星探査機はやぶさの帰還が理系に進むきっかけとなり、大学では耐熱合金に関する研究室で過ごしていました。

しばらく宇宙から離れていましたが、最近のスペースXやアルテミス計画などに興味を持つ過程で見つけたVtuber。

最近はスペースXなど民間企業の参入が相次ぎ、さらに熱くなっていくロケット業界を引っ張っていってほしいです!

ロケットの基本知識

主な打ち上げ機関

アメリカ航空宇宙局NASA:National Aeronautics and Space Administration)は1958年10月1日に活動を開始。

アメリカ合衆国フロリダ州のケネディ宇宙センターから「サターン」「スペースシャトル」などを打ち上げました。

欧州宇宙機関ESA:European Space Agency)はヨーロッパ各国が共同で設立、1975年5月30日に活動を開始。

南米フランス領ギアナにあるクールー宇宙基地から、液体ロケット「アリアンV」などを打ち上げています。

宇宙航空研究開発機構JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency)は2003年10月1日に活動を開始しています。

鹿児島県の種子島と内之浦から、液体ロケット「H-2B」、固体ロケット「イプシロン」などを打ち上げています。

その他としては「ロシア…ソユーズなど」「中国…朱雀、長征など」「Space X…ファルコン9など」があります。

打ち上げまでの流れ

ロケットは燃料の種類で液体ロケットと固体ロケットに区別され、液体燃料なら打ち上げ前に充填が必要です。

打ち上げのカウントは「T-(マイナス)」であらわされ、打ち上げられてからはじめてプラスになり増えていきます。

打ち上げ後の軌道調整はコンピュータによる自動調整で、地上からはテレメータと呼ばれる装置で確認を行います。

衛星を目的の軌道で分離した時点で、衛星を運ぶ役割のロケットの打ち上げは「成功」という扱いになるそうです。

最近は分離したロケットエンジンを帰還させることで打ち上げコストを下げる試みも行われたり(スペースXなど)

人工衛星の軌道

ISSは高度約400km、GPS衛星は高度20,200km、気象衛星ひまわりは高度35,880kmをそれぞれ周回しています。

人工衛星打ち上げは赤道に近いほど良いとは限らず、両極付近の観測する衛星は南北に打ち上げるので影響は小。

紹介した以外にもn日ごとに同じ位置を通る「準回帰軌道」や、軌道の形状による分類もあり、覚えるのは大変。

ある程度の高度までは空気抵抗によって地表に近づくため、定期的にエンジンで軌道を修正する必要があります。

衛星を別軌道に投入する際には静止トランスファ軌道を利用し、近地点と遠地点で加速して軌道を変えることも。

ロケット関連本

宇推くりあさんの配信を追うために少し自分でも勉強してみました。

読んだロケット関連本10冊について感想を書いていきます。

ロケットを飛ばす

1994年出版とかなり古い本でH2ロケットがデビューしたばかりでコロンビア号の事故も起こっていません。

筆者は東工大出身でH1ロケットのLE-5、H2ロケットのLE-7エンジンのターボポンプを担当していました。

耐熱合金の研究を行っているのでNi基超合金やTi基耐熱合金が利用されているのはなじみ深かったです。

液体水素は年生が低く体積変化率が大きいという特徴を持つことから、メリットとデメリットがあるらしい。

超低温の液体水素があるならそれでエンジン自体を冷やせばよいというのはなかなか面白いアイデア。

超高温と超低温の両方にさらされる部品は耐熱だけでなく、熱応力に耐える必要があるというのが極限状態。

基本的に再利用をしないという前提だからこそ許される設計もありそうですが、今後は再利用するからな…

ターボ分子ポンプというと真空状態にするイメージがあったので、過酷な環境で使われることもあるのかと驚き。

数式が非常に少なく大まかな説明にとどめてくれていること、実際に開発者の視点での話があるのが面白いです。

はじめての宇宙工学

チャレンジャー事故は起こっていますが、まだISSが完成していない時期の本でした。(昔の書籍が多い…)

著者は石川島播磨重工業の出身の方です。聞いたことのない名称だと思ったら現在のIHIのことでした、驚き。

宇宙工学というと分野がかなり広く、宇推女史の配信を見るにはロケット工学でいいのかなというのが感想。

ケプラーの3つの法則と楕円軌道の式は、高校時代の物理と数学で発展的な話まで教わった記憶がありました。

ロケットの推力を表す式に、運動量のほかノズル圧力と面積の積を含むことがいまいちピンときませんでした。

四力のうち流体力学だけ触れてきていませんが、この分野を理解するためには必須な気がしてきました…

自動車のエンジンは呼気、圧縮、爆発、排気のサイクルを回転とともに行っていますが、ロケットもあるのか…?

衛星軌道の種類が多く(回帰軌道、地球同期軌道、準回帰軌道、太陽同期軌道)、覚えるのが難しい。

トコトンやさしい宇宙ロケットの本

工業関係で知識をざっくりつけたいときのバイブル「トコトンやさしいシリーズ」、第三版とはやぶさ2まで網羅。

このシリーズは後半が難しすぎるのですが、宇宙ロケットは取り上げる内容が多いからか最後まで程よいレベル。

ナチスの開発したミサイルV-2が、その後の米ソ宇宙開発競争の技術の基本となっているのはなかなか意外でした。

糸川博士のペンシルロケットは知っていましたが、名称が「κ→λ→μ」となっており、なぜκスタート…?

燃料がほとんどを占めるロケットは、直径に対する外壁の薄さがアルミ缶よりも薄いというのは徹底してるな…

宇宙というとアメリカのイメージが強かったですが、ロシアソユーズの打ち上げ数と成功率は目を見張ります。

化学反応以外の地球脱出の推進法はレーザー推進と、「三体」に出てきた原爆による加速あたりが実現できそう。

宇宙ビジネス入門

今まで読んだ本の中では最も新しいものですが、スターリンクやHAKUTOのルナXプライズの結果は出ていません。

最近話題のスペースXやOneWebだけでなく、あまり聞いたことのないような企業もたくさんいるのが宇宙産業。

宇宙産業エコシステムにおいて、プラットフォームの政府に提言を行う団体の利益はどこから得ているのかが疑問。

iSpaceはルクセンブルクと協力したりとかなり世界的に活動しており、日本だけでの活動には限界を感じていそう。

本でも述べられていた通り、日本は大金を投入した宇宙技術を商業ベースで利用できる市場がまだありません。

何となく知っていたスカパーJSATやウェザーニュースなど、衛星ビジネスはそれなりに広まっているっぽい。

実際に宇宙に行くだけが宇宙ビジネスではなく、えられた膨大なデータを人工知能などで活用するのは驚き。

最近立て続けに打ち上げられた機種に対する説明が多く、宇宙産業の全貌をうっすらとわかった気になれました。

宇宙へ行くためのロケット入門

小惑星探査機はやぶさのイオンエンジン運用を行い、極小サイズのイオンエンジンの開発者による入門本。

イラストが多いながら、多段式ロケットが軽くなったときの運動量の変化を追っているなどしっかりめ。

今回読んでいる本のなかではかなり新しいもので、スペースXの1段目ロケット回収まで触れていました。

GPSの仕組みについて理解していなかったので、3次元空間では4機以上の衛星が必要というのが面白い。

イオンエンジンが電気推進に分類されるのは確かに…水蒸気エンジンと水イオンエンジンが気になります。

キューブサットのシステムはベンチャー企業や大学が使いやすいだけでなく、国際規格という点で便利です。

ボイジャー1号がかなり昔の探査機にも関わらず、原子力電池とスイングバイを利用していたのが意外でした。

ロケットの作り方

昔全シリーズを読破したまんがサイエンス、その中でもおそらく最初に出会ったロケットに関する本です。

子供心にもわかりやすいと感じましたが、ロケットの本を読んだ後だと非常にうまくまとまっています。

第一宇宙速度と軌道の話から始まり、ロケットの歴史や科学者、ロケットの分類にも触れているのがすごい。

特にロケットエンジンをどのようにロケットに配置するかという部分は、他の書籍にはないスッキリさ。

科学者の紹介や摩擦熱についての説明を、マンガならではの手法で登場させているのはさすがあさり氏。

ちなみにあさり氏がロケットマニアで打ち上げ見学しているのは「宇宙へのパスポート」で初めて知りました。

今回登場した専門家は「日本ロケットの神様」でしたが、確か外国のロケットの神様が出る話もあったはず…

宇宙へのパスポート

宇宙作家クラブの中心的メンバーとして、たくさんのロケット打ち上げを見ているSF作家によるレポ作品です。

作中に登場するあさりよしとお氏は上の「まんがサイエンス」の著者で、ロケットマニアとは知りませんでした。

ロケットの打ち上げというのはここまで予測できないとは思わず、当然のように日程がずれ込むのが凄かったです。

筆者の日本記者に対する怒りが大きいと思っていましたが、液体酸素の意味を職員に訪ねるのはさすがにマズイ…

現在でもイプシロン失敗に対する風当たりを見ていると、昔に比べてどれくらい改善されたのかは疑問です。

H-Ⅱレポかと思ったら世界の名だたるロケットの打ち上げに立ち会っており、歴史的瞬間に立ち会えて羨ましい…

打ち上げだけではなくそこに行くまでの旅程や、宿泊先でのインターネット接続など普通の旅行記としても楽しい。

ハイウェイカードやモデム接続、ピッチやアンナミラーズなど、時代を感じさせるワードが多いのも面白いです。

ロケットを知るための10のポイント

図書館で本を借りてから宇推氏の初期の方の配信を見たら、最近読んだ本に挙げていたことをあとから知りました。

NASDAでLE-5/7の開発を担当し東京大学の特任教授を務めた人が、授業の議事録からエッセンスを抽出した著作。

「ロケットを理解」というより「ロケット開発を理解」の本で、開発手順の解説が多いのが他の本との大きな違い。

3000℃近い高温は測定できないことから他の測定因子で判断するのは、高温物質を扱っているのでよく分かります。

トレードオフから各部品で最良解を求めれば良いわけではないのは、ロケットに限らずものづくりの難しさかも。

失敗したエンジンを海底から引き上げ観察して、初めて予想もしなかった原因が分かるのはロケット開発ならでは。

ターボポンプの回転数など少し複雑で飛ばし読み部分もありますが、今までより少し読み応えがある一冊でした。

宇宙へ行きたくて液体燃料ロケットをDIYしてみた

「まんがサイエンス」の作者が、宇宙を目指す大人たちが一から液体ロケットを作る過程を描くノンフィクション。

「宇宙へのパスポート」登場の宇宙記者クラブの存在感、日本の民間宇宙開発は確実に彼らの功績に寄るものです。

もしかして…の予感は的中、現在MOMOを打ち上げているのインターステラテクノロジズの前身となる活動でした。

燃焼を伴わないインジェクターとはいえ、自宅の浴槽で作動実験を行うのはまさに素人によるロケット開発です。

堀江氏がかなり早い段階で夏のロケット団に加入しており、成功者は余剰資金を宇宙への夢に投じがちなのかな…

読み終わった後に調べると、MOMOは6号機が2021年に打ち上げに成功、CAMUIはしばらく打ち上げがないよう。

イラストと当時の写真で、実際に読者もなつのロケット団の一員になったかのような気持ちになれ楽しかったです。

宇宙ロケット工学入門

ロケットの本10冊目にふさわしい、基本から専門までをわかりやすくまとめた書籍です。

他のロケット本では触れられていなかった火工品にも触れられており、非常に具体的で面白い!

ニュートン力学やアン税経数、ガウス分布などの、高校や大学の授業の内容も多かったです。

例を挙げるだけでなく、項目ごとにそれぞれの方式の説明が図と文章で行われているのが〇。

「夏のロケット団」で彼らが苦戦したインジェクターについても多くのページが割かれています。

理解が深まっているからかもしれませんが、読み終わってから非常に良い本だと感じました。

最後にロケットごとの性能比較表や、アルファベット略称一覧が載っているのも復習になって良いです。

10冊読んだ感想

自らの興味から勉強をすることはやはり面白く、これを機に少し難しめの専門書にも手を伸ばしたいかも。

思った以上に高校や大学で学んだ基礎が出てきたので、勉強が役に立たないというのは間違いだと感じます。

どの本にも共通して書かれている部分はおそらく大切なことで、何度も目にすることで理解が深まって〇。

宇宙産業がアツい!

小惑星探査機はやぶさの帰還が理系に進むきっかけとなり、大学では耐熱合金に関する研究室で過ごしていました。

しばらく宇宙から離れていましたが、最近のスペースXやアルテミス計画などに興味を持つ過程で見つけたVtuber。

最近はスペースXなど民間企業の参入が相次ぎ、さらに熱くなっていくロケット業界を引っ張っていってほしいです!

宇宙とかVtuberとか

コメント

  1. QuarrelBlue より:

    「自由遷移軌道」というのは一般には「自由帰還軌道」と訳される”Free-return trajectory”のことのようです(画像は「Mission Profile for First Crewed Flight of Orion」、オリオン宇宙機の月有人飛行で使われる軌道の解説図ですね)。
    例えば地球から月に行って帰ってくるとき、月の重力で自然に帰りの方向転換を行い推力を使わず帰途につくことができる手間いらず(Free)の軌道だとか。

    • 【いつき】 より:

      ご指摘ありがとうございます!専門家にコメントいただけるのありがたい…!

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