
経済産業省が発表するスタートアップ大賞が、数年後どうなってるかという議論を見ました。
当時はどのような企業が選定されたのか、その後どうなったのかを知りたいと思いました。
当時話題になったビジネスモデルもあれば、実は知られざる優良企業が隠れていたり…?
スタートアップ大賞とは
政府が若者などのロールモデルとなるような、インパクトのある新事業を創出した起業家やベンチャー企業、企業内での新規事業創造を表彰する賞日本ベンチャー大賞として始まり、2022年の表彰から改称している。
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2015年からベンチャー企業への表彰を開始し、内容や名称を変えながら2026年まで継続しています。
2014年:株式会社ユーグレナ

微細藻類「ユーグレナ(ミドリムシ)」を活用した食品・化粧品などのヘルスケア事業を展開。
傘下に健康食品・化粧品のキューサイを持ち、バイオ燃料や微細藻類を活用した新規事業にも取り組む。
2005年に国立大学発ベンチャーとして設立し、大量屋外培養技術の実用化に世界で初めて成功。
2012年には東証マザーズへ上場し、現在は東証プライム市場に上場。
2025年12月期は売上高504億円、営業利益31億円と過去最高の売上高・大幅な営業増益を達成し、2026年12月期は当期純利益の黒字転換を目指している。
ヘルスケア事業を収益基盤としながら、マレーシアで進む大規模バイオ燃料プラントへの出資など、将来のエネルギー事業の拡大を進めている。
- CYBERDYNE株式会社 × 大和ハウス工業株式会社:ロボットスーツ「HAL」の開発・販売と、住宅・建設・介護関連事業。
- コイニー株式会社:スマートフォン・タブレットを利用したクレジットカード決済サービス。
- スパイバー株式会社:人工合成クモ糸などの新素材の研究開発・製造。
- 株式会社クラウドワークス:企業と個人をオンラインでつなぐクラウドソーシングサービス。
2015年:ペプチドリーム株式会社

独自の創薬基盤「PDPS(Peptide Discovery Platform System)」を活用し、特殊ペプチドを中心とした医薬品候補の研究開発を行う創薬企業。
完全子会社のPDRファーマでは放射性医薬品の研究・開発・製造・販売も手掛け、国内外の製薬企業との共同研究やライセンス契約から契約一時金・マイルストーンなどを得るビジネスモデルを展開している。
2006年設立、2013年に東証マザーズへ上場、2015年に東証一部、2022年に東証プライムへ市場変更。
2024年12月期は売上収益466億円、営業利益211億円と過去最高を更新した一方、2025年12月期は大型提携の契約時期がずれたことで売上185億円、営業損失50億円となった。
2026年12月期は売上収益320億円、営業利益46億円を計画しており、臨床開発中のプログラムを2026年中に6~12件追加する方針。
今後は契約一時金・マイルストーン中心の収益構造から、自社・提携プログラムの臨床開発を進め、将来的な医薬品販売収益やロイヤルティの拡大を目指している。
- ゼットエムピー株式会社 × 株式会社ディー・エヌ・エー × ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社:自動運転技術の研究開発と、自動運転車両を活用したモビリティサービス。
- 株式会社ジーンクエスト:遺伝子解析サービスを活用した個人向けヘルスケア・遺伝子情報事業。
- 株式会社メルカリ:スマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」を中心としたC2Cマーケットプレイス。
- 株式会社すららネット:AI・ICTを活用したオンライン学習教材・教育サービス。
- ソニー株式会社:エンターテインメントロボット「aibo」などのAI・ロボティクス事業。
2016年:CYBERDYNE株式会社

装着型サイボーグ「HAL」を中心に、医療・介護・リハビリテーション向けロボットや清掃・搬送ロボットを展開。人・AI・ロボット・情報技術を融合した「サイバニクス」を中核技術とし、医療・健康分野と生活・作業支援分野の両面で事業を拡大している。
2004年設立、2014年に東証マザーズへ上場。2026年3月期は売上収益38.5億円、営業損失6.0億円と営業赤字が続く一方、投資有価証券評価益などにより親会社帰属純利益は1.5億円となった。
HALの医療機器としての海外展開やレンタル事業を拡大しつつ、清掃・搬送ロボットやフィジカルAIなど非医療分野への展開を進めており、今後はHALを中核としたサイバニクス医療・ヘルスケア事業の世界展開と、ロボット・AIを活用した新たな社会インフラ事業の拡大を目指している。
- 株式会社Preferred Networks × ファナック株式会社:AI・深層学習技術を活用した産業用ロボット・工場自動化システム。
- 株式会社ナノエッグ:皮膚科学・再生医療技術を活用した医薬品・化粧品の研究開発。
- 株式会社アーマリン近大:近畿大学の養殖技術を活用したマグロなどの水産物の養殖・販売。
- セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社:全自動衣類折りたたみ機「laundroid」などのロボット・家電製品の開発。
- 株式会社ビズリーチ:企業と求職者を直接つなぐ転職・採用プラットフォーム。
2017年:メルカリ

フリマアプリ「メルカリ」を中心に、個人間売買(C2C)のマーケットプレイスを展開。メルカードやメルペイなどのフィンテック事業、米国でのマーケットプレイス事業などにも進出し、売買・決済・金融を組み合わせた経済圏の構築を進めている。
2013年設立、2018年に東証マザーズへ上場し、2022年に東証プライムへ市場変更。
2026年6月期は売上収益2,293億円、コア営業利益442億円、営業利益439億円、親会社帰属利益354億円と大幅な増収増益となり、過去最高益を更新した。
2027年6月期は売上収益2,750億円を計画しており、国内メルカリ事業を収益基盤としながら、メルペイ・メルカードなどのフィンテック事業や米国事業を成長分野として拡大している。
- 株式会社ソラコム × KDDI株式会社:IoT向け通信サービス・IoTプラットフォーム。
- 株式会社ビザスク:企業と専門知識を持つ個人をつなぐスポットコンサルティングサービス。
- 株式会社ルートレック・ネットワークス:IoT・AIを活用した農業向け環境制御システム。
- 株式会社マネーフォワード:家計簿・資産管理サービスや、企業向けクラウド会計・人事労務サービス。
- 株式会社PKSHA Technology:AI・機械学習技術を活用したアルゴリズムソリューション。
2018年:Preferred Networks
AI半導体「MN-Core」、AI向け計算基盤「PFCP」、国産生成AI基盤モデル「PLaMo」など、AI技術の基盤からアプリケーションまでを垂直統合して開発。
製造業、素材・化学、ライフサイエンス、金融、ロボティクスなど幅広い産業向けにAIソリューションを提供している。
2014年設立の非上場企業。トヨタ自動車、NTT、三菱商事、ファナック、日立製作所、中外製薬、信越化学工業など国内大手企業や金融機関から出資を受け、共同研究・事業化を進めている。
非上場のため上場企業のような詳細な決算情報は公開されていないが、2026年時点では約400人規模まで拡大。
PLaMoの商用展開やAI計算基盤、AI半導体の事業化を進めながら、半導体から生成AIまでを自社で押さえる「国産AI基盤」の構築を目指している。
- ラクスル株式会社 × ヤマトホールディングス株式会社:印刷・物流などの業務をオンラインで発注できるプラットフォーム。
- READYFOR株式会社:クラウドファンディングサービス。
- 株式会社ファームノートホールディングス:酪農・畜産向けの牛群管理システム・IoTサービス。
- WHILL株式会社:近距離移動向けの次世代型電動モビリティ。
- 株式会社ユーザベース:企業・業界情報を提供する経済情報プラットフォーム。
2022年:アストロスケールホールディングス

スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去や人工衛星の寿命延長、点検・観測など、宇宙空間でサービスを提供する「軌道上サービス」を展開。人工衛星などの非協力物体に接近・捕捉するRPO技術をコア技術とし、政府・宇宙機関向けのデブリ除去に加え、民間衛星向けの寿命延長や軌道上サービスの事業化を進めている。
2018年設立、2024年に東証グロース市場へ上場。2026年4月期は売上収益57億円、営業損失101億円となり、研究開発や衛星開発に伴う先行投資から大幅な営業赤字が続いている。一方、プロジェクト収益は113億円と前期の61億円から大幅に増加し、2027年4月期には既存案件の収益認識も進む見込み。今後は政府・宇宙機関向け案件を収益基盤としながら、衛星の寿命延長やデブリ除去など民間向け軌道上サービスを拡大し、宇宙利用の拡大に伴う新たな市場の開拓を目指している。
- スマートニュース株式会社:ニュースアプリ「SmartNews」を中心としたニュース配信・広告サービス。
- 五常・アンド・カンパニー株式会社:新興国の低所得者層・中小事業者向けのマイクロファイナンス事業。
- ユーザーライク株式会社:サブスクリプション型の花・植物配送サービス「ブルーミー」。
- 株式会社Synspective:小型SAR衛星の開発・運用と、衛星データを活用した地理空間情報サービス。
- 株式会社ビザスク:企業と専門知識を持つ個人をつなぐスポットコンサルティングサービス。
- 株式会社ヘラルボニー:障害のあるアーティストのアート作品を活用したブランド・ライセンス事業。
2023年:スマートニュース
ニュースアプリ「SmartNews」を中心に、ニュース配信と広告事業を展開。3,000以上のメディアと提携し、AI・アルゴリズムを活用してニュースを配信するほか、「SmartNews+」による有料コンテンツやクーポン、子会社のスローニュースなどにも事業を広げている。2026年にはAIを活用した新サービスや地図アプリ「Wanderland」も展開している。
2012年設立の非上場企業。日本と米国を中心に事業を展開し、2023年末にはサブスクリプションサービス「SmartNews+」を開始。2026年時点では上場企業のような詳細な決算情報は公開されていないため、売上高や利益による業績評価は難しい。広告事業を収益基盤としながら、SmartNews+、AIを活用した広告・情報サービス、新規プロダクトなどへ事業領域を広げ、ニュース配信プラットフォームから総合的な情報サービス企業への展開を進めている。
- 五常・アンド・カンパニー株式会社:新興国の低所得者層・中小事業者向けのマイクロファイナンス事業。
- 株式会社ミツモア:地域の事業者と利用者をつなぐ見積もり・サービス予約プラットフォーム。
- 株式会社ビビッドガーデン:生産者から消費者へ農産物・水産物などを直接届ける産直通販サービス「食べチョク」。
- マイクロ波化学株式会社:マイクロ波を利用した化学反応・製造プロセスの研究開発と、化学・素材分野向けの技術提供。
- 株式会社ミライロ:障害者向けのデジタル障害者手帳「ミライロID」や、ユニバーサルデザインに関するサービス。
- 株式会社アンドパッド:建設・建築業界向けのクラウド型業務管理サービス「ANDPAD」。
- 株式会社ispace:月面探査機の開発・運用と、月面輸送・月面データ取得などの月面事業。
- 株式会社CureApp:スマートフォンなどを利用した治療用アプリ「デジタル療法」の研究開発・提供。
- 株式会社坪田ラボ:近視などの眼疾患を対象とした医薬品・治療法の研究開発。
2024年:SmartHR
クラウド人事・労務ソフト「SmartHR」を中心に、勤怠管理、給与計算、雇用契約、年末調整などの労務管理から、人事評価・配置シミュレーションなどのタレントマネジメント、採用管理までを一元的に提供。外部サービスとの連携基盤「SmartHR Plus」も展開し、人事・労務データを活用した「人的資本経営プラットフォーム」への拡大を進めている。
2013年設立、2015年に「SmartHR」を正式リリースした非上場企業。2021年のシリーズDで約156億円、2024年のシリーズEで214億円を調達し、2024年にはARR150億円を突破。2026年7月にはARR300億円を突破し、AIアシスタントを含む従業員ポータル領域が新たな事業の柱に成長している。今後は労務管理を収益基盤としながら、タレントマネジメント、AI、従業員ポータルなどへ事業領域を広げ、2030年に売上高1,000億円を目指している。
- 株式会社ティアフォー:自動運転システム「Autoware」の開発と、自動運転車両・関連ソフトウェアの開発。
- 株式会社FRDジャパン:陸上養殖システムを用いたサーモンの生産・販売。
- Chordia Therapeutics株式会社:がん領域を中心とした低分子医薬品の研究開発。
- 株式会社カケハシ:薬局・薬剤師向けのクラウド型業務支援サービス「Musubi」などの開発・提供。
- Global Mobility Service株式会社:IoT技術を活用した自動車ローン・モビリティ向けの金融サービス。
- 株式会社ELEMENTS:顔認証・生体認証や画像認識などのAI技術を活用したサービス。
- 株式会社YOUTRUST:キャリアSNS「YOUTRUST」を中心とした人材・採用サービス。
- PuREC株式会社:間葉系幹細胞などを用いた再生医療・細胞治療技術の研究開発。
- AnyMind Group株式会社:インフルエンサーマーケティング、EC・広告・物流など、企業やクリエイター向けのデジタルマーケティング支援。
2025年:Telexistence
AIとロボティクスを組み合わせ、コンビニ・物流・製造現場向けのロボットサービス(RaaS)を展開。飲料陳列ロボット「TX GHOST」「TX SCARA」などを実際の店舗で運用し、遠隔操作によって蓄積したロボット動作データをAI開発にも活用している。2026年からはロボットの動作データを企業・研究機関向けに提供する「モーションデータ」事業にも進出し、ロボット本体だけでなく、フィジカルAIの基盤となるデータ・AIまで垂直統合する戦略を進めている。
2017年設立の東京大学発・非上場企業。2023年にはソフトバンクグループ、Foxconn、Globis Capital Partnersなどから約230億円を調達し、ロボットの量産・海外展開を本格化。2025年には「日本スタートアップ大賞2025」で内閣総理大臣賞を受賞し、2026年にはリコーとの資本提携やNVIDIAの「Cosmos Coalition」への参画など、大手企業・AI企業との連携を拡大している。今後は小売・物流現場でのRaaSを収益基盤としながら、モーションデータやロボット基盤モデル、ヒューマノイドへ事業を広げ、フィジカルAIの社会実装を目指している。
- WHILL株式会社:近距離移動向けの電動モビリティの開発・製造・販売。
- リージョナルフィッシュ株式会社:ゲノム編集などの技術を活用した水産物の品種改良・養殖。
- 株式会社アクセルスペースホールディングス:小型人工衛星の開発・製造と、衛星データを活用した宇宙事業。
- ファストドクター株式会社:夜間・休日の往診やオンライン診療などの医療プラットフォーム。
- Terra Drone株式会社:ドローンの開発・販売、測量・点検・農業などのドローンサービス、空飛ぶクルマ関連事業。
- 株式会社RevComm:AIを活用した電話・営業支援サービス「MiiTel」などの開発・提供。
- 株式会社Synspective:小型SAR衛星の開発・運用と、衛星データを活用した地理空間情報サービス。 SHE株式会社:女性向けキャリアスクール「SHElikes」などのキャリア支援サービス。
- ユニファ株式会社:保育施設向けのICTサービス「ルクミー」を中心とした保育・子育て支援サービス。
2026年:株式会社Mujin
産業用ロボットを知能化する「MujinMI」や「MujinOS」を中核に、物流・製造現場のピッキング、搬送、積み下ろしなどを自動化するロボットソリューションを展開。ロボット本体だけでなく、ロボット・ビジョン・ハンド・AGVなどを統合制御するソフトウェアを開発し、エンジニアリングや自動化コンサルティングまで一気通貫で提供している。
2011年設立の非上場企業。2023年にシリーズCで123億円、同年の追加ラウンドで27億円を調達し、2025年にはNTTグループやカタール投資庁(QIA)などから総額233億円超を調達した。2026年時点では500人超の規模へ成長し、米国・中国・欧州にも展開。製造・物流向けのロボット自動化を収益基盤としながら、独自の知能化技術を「Physical AI」の基盤として発展させ、ロボットの汎用化・海外展開と、物流・製造現場全体の自動化を進めている。
- リージョナルフィッシュ株式会社:ゲノム編集などの技術を活用した水産物の品種改良・養殖。
- Oishii Farm株式会社:植物工場でのイチゴなどの農産物の生産・販売。
- Rapyuta Robotics株式会社:クラウドロボティクス技術を活用した物流・倉庫向けロボットシステム。
- Ubie株式会社:AIを活用した症状検索・医療情報サービスや、医療機関向け業務支援サービス。
- 株式会社SkyDrive:空飛ぶクルマ(eVTOL)の開発・製造と、ドローン関連事業。
- SakanaAI株式会社:生成AI・基盤モデルなどの人工知能技術の研究開発。
- 株式会社Oceanic Constellations:海洋・水中領域の観測やデータ活用に関する技術・サービス。
- アイリス株式会社:AIを活用した医療・ヘルスケア向けの画像解析・診断支援技術。
- 株式会社Acompany:秘密計算などのプライバシー保護技術を活用したデータ連携・データ活用基盤。
スタートアップ大賞を見た感想
Twitterでは政府は何も考えてないなどと言っている人がいますが、決してそんなことはないと思います。
聞いたことのあるベンチャーは一通り入っている印象、最近話題になったTerra Droneも抑えていました。
ユニコーン企業であるメルカリやスマートニュースも抑えている(伸びてから受賞した可能性もあり)
ユーグレナやペプチドリームなど、実現までが遠い企業を最初は選んでいたからイメージが悪い?
最近は株式が振り回されないように意図的に非上場企業を選出している?また実績を見ているかも。
核融合や量子コンピュータに関する企業が全く選ばれていないところ、工業やアプリなど目に見える結果が多いように感じる。
話題企業はIPOで株価が急騰急落するため、右下がりに見えるが、意外と堅実な可能性もある。
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