コロナウイルス感染拡大に対する経済対策として政府が主導で行う「GOTOトラベル」キャンペーン。
今回はこれを利用して岩手県を中心とした2泊3日の岩手観光旅行に行ってきたので、様子を紹介!
普段はこういう記事はあまり書きませんが、何か役立つことがあればと思い記事に起こしました。
※注意:記事後半に「東日本大震災」に関する記述があります
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岩手旅行1日目
猊鼻渓
この日はホテル京阪を朝の7時に出発というハードなスタートを切り、目的地の岩手県に向かいます。
まずは峡谷「猊鼻渓」の川下りクルーズ、人が少ないであろう朝一番の便(9:30発)に滑り込みました。
岩手には「猊鼻渓(げいびけい)」と「厳美渓(げんびけい)」という似た地名があり注意が必要です。
猊鼻渓は北上川支流の砂鉄川沿いに高さ50mほどの石灰岩壁がおよそ2kmにわたって続く渓谷です。
大正14年に国の史蹟名勝天然記念物に指定され、日本百景のひとつに数えられています。
紅葉は終わりかけといったところですが、色づいている木もあり落ち着いた雰囲気を楽しめました。
船の先頭からの一枚。
コロナウイルス感染前は船内にゴザを敷いていたそうですが、現在は撤去されているそうです。残念!
上りが終わると一度船を降り「猊鼻渓」の由来となった獅子の鼻の形をした岸壁を見に行きます。
岸壁に空いた目の形の穴に漢字の彫られた運玉(5個100円で販売)を投げ入れると達成証がもらえます。
対岸なこともあり腕力が問われるうえ、小さな穴なのでコントロール力も必要なので難しい!
帰りの船では船頭さんの歌う船歌「げいび追分」が峡谷に静かに響き渡ります。
川下りの船は時間差で何隻も出るため、静かに船歌が聴けるのはその日初めのクルーズのみ。
以降の船は前の船が帰ってくる際の船歌が上りの時点で聞こえるため、一番乗りでよかったです!
猊鼻渓
・〒029-0302 岩手県一関市東山町長坂字町467
・0191-47-2341
・JR一ノ関駅乗り換えJR大船渡線・猊鼻渓駅下車徒歩5分
・8:30~16:30(季節により運行時間に変更有)
・定休日なし 荒天時は欠航になることも
・大人1800円、小学900円、幼児200円
・クレジットカード支払い対応
中尊寺
世界遺産に登録されたことでも有名な、金ピカのお堂「金色堂」がある中尊寺に行ってきました。
850年に延暦寺の僧により開かれ、12世紀に奥州藤原氏初代清衡公が大規模な堂塔造営を行いました。
11世紀に東北で続いた戦乱の霊を敵味方の別なく慰め、辺境とされた東北に仏教の定着を図りました。
中尊寺をめぐるのは無料ですが、金色堂の収められている宝物殿に入場するのに料金がかかります。
こちらは紅葉真っ盛り、見渡しても鮮やかな色彩がに入ってきて眩しいです。
樹の根っこで自然の階段ができています。
山の上にある寺院はこのように自然と一体化しているところが趣があっていいと思います!
金色堂に関連する仏像や書物を展示している宝物殿。
この建物を見た後に奥にある金色堂を見に行く流れのようです(チケットが共通)
金箔に覆われたお堂は予想よりもだいぶ小さく、金ぴかで華美な感じちょっと嫌でした。
教会などもそうですが、豪華すぎると仏教への信仰なのか財力の顕示なのかよくわかりません。
中尊寺
・〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
・0191-46-2211
・JR東北本線・平泉駅下車徒歩20分
・境内通年開放 3月1日〜11月3日/8:30~17:00(季節による変更有)
・大人800円 高校生500円 中学生300円 小学生200円
・クレジットカード払い対応・電子チケットあり
厳美渓
この日二つ目となった渓谷は「空飛ぶ団子」でメディアに取り上げられ有名になった「厳美渓」。
空飛ぶ団子の正式名称は「かっこう団子」で郭公屋という団子屋さんが始めたサービスだとか。
1本1本手作りの団子は、多い時には1日3000本もの売り上げでまさに「飛ぶように」売れるそうです。
「空飛ぶ団子」の料金はカゴが降りてくる、団子屋から皮を挟んで反対側の場所で支払います。
お金を入れて板を叩くと、川向こうの団子屋2階でおじさんが料金を入れたかごを手作業で引き上げます。
その後注文数を示す札を掲げた後、団子の入ったカゴがするすると降りてきて団子が食べられます!
団子はこしあんとごまあんとみたらしの3種類で、団子というよりは白玉に食感が近いように感じました。
空を飛ばなくてもいいので団子が食べたいという方は川向こうの団子屋1階でも販売しています。
厳美渓
・〒021-0101 岩手県一関厳美町滝の上221
・1912-92-031
・JR一ノ関駅 一ノ関駅~厳美渓線厳美渓バス20分 徒歩約1分
・9時~16時 4~11月無休、12~3月休業
・郭公だんご:3本500円
遠野伝承館
民俗学者の柳田国男が明治43年に発表した、岩手県遠野地方の伝承などを記した説話集『遠野物語』。
その話者であった佐々木喜善の功績をたたえて設立された記念館が遠野伝承館にあります。
また遠野地方かつての農家の生活様式を再現し、伝承行事や民芸品などが体験できます。
近くには河童が出るといわれている「カッパ淵」なる場所もあり、行ってきました。
淵には底が見えないような場所もあり、夜中に一人では絶対通りたくない…!
ここに祭られている河童は、なぜか乳首が強調されており信仰に変化があったことがうかがえます。
(本来、河童は川でおぼれ死んだ人間で子供の水難事故を防ぐために生まれたという説も)
仕組みが面白い水車小屋。観光地以外で見ることがもうないのが残念ですね…
他にも実際に使える手押しポンプなどあり、短時間ですが楽しめました。
遠野ふるさと村
・〒028-0555 岩手県遠野市土淵町土淵6地割5番地1
・0198-62-8655
・遠野駅より早地峰バスで25分
・足洗川バス停下車、徒歩3分(約1時間に1便)
・年中無休 午前9時〜午後4時
(入園受付は午後3時30分)
・大人…330円 小中高校生…220円
浄土ヶ浜パークサイドホテル
2日目宿泊のホテルは宮古湾を望む高台に位置する「浄土ヶ浜パークサイドホテル」。
レストランはビュッフェ形式でしたが、マスク必須とビニール手袋をしての形式でした。
一番豪華だったのに部屋を楽しむのと食べるのに夢中で写真をまったく撮っていません…
夜は気付きませんでしたが露天風呂から海を望むことができるので、朝風呂をおすすめします!
浄土ヶ浜パークサイドホテル
・〒027-0001 岩手県宮古市日立浜町32-4
・0193-62-2321
・JR宮古駅 送迎バス15分
・チェックイン15:00 / チェックアウト10:00
・クレジットカード対応
3日目
青の洞窟
浄土ヶ浜パークホテルで海鮮載せ放題の朝ご飯を食べた後はサッパ船で青の洞窟を見に行きます。
料金を払うと黄色いライフジャケットと青いヘルメット、それからえびせんの小袋を渡されました。
えびせんは船の近くに集まってくるカモメやウミネコの餌で、船が出ると集まってきます。
船が移動しており風が強いので、うまく投げないとえびせんが船内に残ってしまい鳥に襲われます。
餌やりに夢中で周りの景色を楽しむのを忘れそうなので、餌やりは洞窟観光後でもいいかも。
洞窟といっても船で入れるのは10メートルくらいで、それより奥は海水で満たされています。
海がしけている日は、岸壁がとがっているのもあり入り口に入ることも難しいことも。
洞窟に入り後ろを振り向くと海水が青く見え、これが「青の洞窟」の名前の由来です。
正式名称は「八戸穴」で、青森県の八戸市まで続いているという伝説から名づけられました。
洞窟内は水深が8メートルほどしかなく、海底のウニなどが肉眼で確認できるので楽しい!
青の洞窟
・〒 027-0001 岩手県宮古市日立浜町32-4
・0193-63-1327
・営業時間: 8:30~17:00 営業期間: 3月~11月(冬季休業)
・お一人様 1,500円(所要時間約20分)
龍泉洞
龍泉洞は日本三大鍾乳洞の一つとされ、また洞内に棲むコウモリと共に国の天然記念物に指定されています。
洞内総延長は知られている所で4,088mでそのうち700mが公開中、地底湖は8つのうち3つが公開中。
現在も調査が継続中で未知の部分もまだまだ多く、総延長は5,000m以上ではないかと言われています。
上から伸びている鍾乳石と合わせてみるとハート型に見える場所があります(わかるかな…)
他にも地蔵の形、ビーナスの形など様々な鍾乳石がありますが、中にはこじつけみたいなものも。
地底湖を見た際には小学生の時に読んだジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を思い出しました。
電気があっても十分怖いのに、探検隊は真っ暗な中をヘッドライトだけで進んだんですよね…
暗く冷えている洞窟は昔からワインの貯蔵庫として使われることが多く、ここも例外ではありません。
竜泉洞では岩泉町のやまぶどうを使用した宇霊羅(うれいら)ワインの貯蔵庫を見られました!
龍泉洞
・〒027-0501 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成1番地1
・0194-22-2566
・盛岡駅および岩泉駅からバスでの移動が便利
・2020年6月~当面の間AM10:00 – PM4:00 年中無休
・大人(高校生以上)1,100円 小・中学生550円
道の駅 高田松原
旅行としては龍泉洞を見て関東に戻るという予定でしたが、休憩のために偶然降りた場所がここでした。
10年近く経っているのに分譲前の更地のような土地がほとんどで驚きました。
震災当時、自分が小学6年生で卒業式前にお世話になった学校の掃除を行なっていました。
全員で校庭に避難し体育座りで尻に余震を感じながら、寒い中保護者を待った記憶があります。
(雪が少し降り始めたような記憶があるが定かではない)
震災記念館の奥には防潮堤があり、写真正面の道を登っていくと防潮堤を見渡すことができます。
防潮堤の先には津波の被害を抑えるための松などの樹木が植えられています。
歴史上で何度も津波に遭っているこの地域の人たちはこうやって破壊と再生を繰り返したのでしょう。
奇跡の一本松。塩害の被害には耐えきれず、現在は強化プラスチックで置換されています。
なんの変哲もない松ですが、これが東北のシンボルになるほど何も残らなかったと考えると…
道の駅 高田松原
・〒029-2204 岩手県陸前高田市気仙町字土手影180番地
・0192-47-4455
・JR一ノ関駅よりJR大船渡線でJR 気仙沼駅まで約1 時間20分
・JR気仙沼駅からJR大船渡線BRTで「奇跡の一本松駅」まで約30分
・開館時間9:00〜17:00(最終入館16:30)
岩手旅行の感想
正直岩手と聞いて連想する観光スポットが全くなく、今回の旅行で色々あることがわかりました。
旅行に関しての感想は色々ありましたが、最後の陸前高田で全部持って行かれた感が大きいです。
以前から震災現場を見るため東北大学の後に気仙沼も考えましたが、アクセスの悪さから断念しました。
陸前高田で高速道路を降りたのは本当に偶然で、何か運命的なものを感じました。
あの日、津波で全てが押し流されるのをテレビで見て恐怖というよりも何か別の感情がありました。
今回訪れて分かったのは「人類の敗北」を目の当たりにした強い悲しみだったのかなということです。
人が何年もかけて作ったものが、自然の前では無力である現実にショックを受けたのだと思います。
しかしこうして訪れるまで、自分はそれがもう終わったことのように生活してきました。
思い出したからと急に動揺したり意識するのは、逆に被災者にとっては迷惑なのかもしれません。
震災記念館であまり真面目に展示を見ず、ふざけ合っている中学生くらいの集団がいました。
どんなに手段を尽くしても、この感情を震災を知らない世代に受け継ぐのは難しいでしょう。
ただ日本人として巨大災害があり、復興を進めているという事実は知っておくべきだと思います。
太平洋戦争、地下鉄サリン事件、東日本大震災、そして現在の新型コロナウイルス。
それぞれの世代にそれぞれの出来事があり、言葉にせずとも個人に影響を及ぼさずにはいられない。
色々考えるところのある旅行になりました。
しみじみした感じになりましたが、結論を言うととても楽しかったです!
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