今回ミニシアターで韓国映画「不思議の国の数学者」を観てきました。
大手で放映されない作品で、人に勧められなかったら気づかなかったかも。
理系チックな内容で楽しく観られ、穴場作品だと感じたので紹介！
不思議の国の数学者
監督…パク・ドンフン
劇場公開日：2023年4月28日 117分
イ・ハクソン…チェ・ミンシク
ハン・ジウ…キム・ドンフィ
グノ…パク・ビョンウン
不思議の国の数学者あらすじ
「起」承転結
全寮制の新学校に通うジウは勉強についていけず、クラスメイトとも馴染めない。
事件に巻き込まれ一時退寮を命じられたジウは脱北者の警備員、ハクソンの元で一夜を過ごす。
貧しい家で母親の期待を背負うジウの身の上話を聞き、ハクソンは
・授業のことを誰にも話さない
・数学以外の質問はしない
の条件と、好物であるイチゴ牛乳を報酬に数学を教えることを約束する。
起「承」転結
一方ジウの通う進学校では、中間試験に難問揃いのピタゴラスアワードの開催が宣言される。
ジウに好意を寄せるグノは母親から試験に向けて特別な塾に入ることを一法的に告げられる。
試験当日、問題を見たグノは解答用紙に手をつけず教室を後にし自宅に閉じこもった。
実は彼女の通う塾では数学教師によって試験問題が流出していたのだ。
同じ頃ハクソンが数学の難問を解いたかつての天才少年だったことが分かる。
しかし脱北にあたり息子を亡くしたハクソンはメディアへの出演を拒み、ジウにも他言を禁じる。
起承「転」結
グノはネット掲示板で告発を行い、焦った教師は成績の悪かったジウを犯人にしようとする。
反論する術がなく、退学後の便宜を図ってやるという教師の言葉からジウは退学を決意する。
ピタゴラスアワードの授賞式、学校を去ろうとするジウを無理やりグノが授賞式に連れて行く。
授賞式では突然ハクソンが登壇し、自身の正体とこの学校で不正が行われていることを述べる。
主犯である数学教師は激昂して会場を去り、ジウの退学は取り消された。
起承転「結」
数年後、ハクソンを訪れたジウは机にそっとイチゴ牛乳を載せ、再開した2人が語りある場面で作品は終わる。
不思議の国の数学者おすすめポイント
数字と友達になる
ハクソンからジウに出題された数式に対し、うまい解法が見つからないなら全て自分で計算しろというセリフ。
数字と仲良くなる過程は非常に重要であると理系学生の視点から感じます。
自分もかつてはケアレスミスをするため、計算過程を全て綺麗な字で書いていました。
オイラーの公式
ゼロと負の数、虚数とネイピア数が共存するオイラーの公式について熱弁するハクソン。
それを聞くジウの顔はポカンとしていますが、これは実際に遭遇したことがあります。
大学の物理の先生はこの公式を「神の公式」と呼び、学生たちは置いていかれました。
大学を修了する頃にその美しさが分かりかけてきますが、この温度差はずっと受け継がれるのかも笑
そんな女の子はいない
勉強も友達作りもうまくいかないジウを構ってくれるグノのような女の子はいません。
一般学生とは異なる生徒との付き合いを制限する母親への当てつけでは？とも思ったり。
ハクソンからジウへの明らかな好意があり、フィクションだとしてもうらやましい限り。
不思議の国の数学者気になるポイント
現実とフィクションの狭間
作中で登場するハクソンは架空の人物ですが、オイラーの定理は実在します。
フィクションっぽいとは思いつつも、どこまでが本当か気になってしまいました。
自分の知らない分野や文化だと、誇張した表現があっても気づかないのが難点。
後半の説明不足感
実はハクソンの世話をしていた店主が公安だったりとだいぶ急展開の後半パート。
パスポートを渡すシーンではハクソンが北朝鮮へ帰るのかと思って焦りました。
最後のシーンもそれぞれがどのような立場にいるのかが分からず少し説明不足かも。
不思議の国の数学者感想
フィクションゆえの出来すぎた話が少し気になりましたが、非常に観やすく良い作品でした。
2人の友情にグノが入ってくることに違和感を感じるという意見も聞きましたが自分は好きです。
それぞれが本当に大切なことを学びながら一歩踏み出す姿勢は感動しました。
役者の演技もよく、SF作品ではありませんがぜひ紹介したいと思いました！
韓国の文化についても軽く知ることができるので見てみて下さい！
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