
工場で利用する電源は三相交流というものを使うことが多いですが、これがなかなか理解が難しい。
なぜ二相や四相ではなく三相なのかには「2つの条件」があり、両方を満たせる相数が3だからです。
また二相交流は歴史上2種類あり混同すると余計にわからなくなるため、そこも整理してまとめます。
※電流電圧を「2」sinxとおいているのは、電力計算時に電力が大きくなることを表現するため
単相交流と三相交流

周期的に電流の流れる方向が入れ替わる「交流(AC)」電源のうち、一つの位相での送電方式。
グラフのx軸に時間、y軸に電流か電圧を取ると、1本のサインまたはコサインカーブを描きます。
位相を120°ずつずらした3つの波で送電する方式が三相方式です。Panasonicの解説記事が詳しい。
二相以上のメリット

安定した電力を取れる
電力=電圧 × 電流のため、電圧電流が同位相で変化すると瞬時電力は常に正で0~最大値間で変化。
瞬時電力が120°ずつ位相をずらして3つ存在するとき足し合わせると、合計の瞬時電力は常に一定に。
そのため三相モーターには一定の電力が供給され、トルクの脈動がほとんどありません。
結果として回転が滑らかになり、始動用コンデンサなどの補助部品も不要、効率や信頼性が向上します。
回転磁界を作れる
単相コイルに交流を流すと、磁界は同じ場所で強さと向きが行ったり来たりする「脈動」になるだけ。
120°位相のずれた3つの波を配置することで、磁界そのものが回転する「回転磁界」を作れます。
これがあるとモーターが起動装置なしで自然に回り出すため、モーター駆動には三相が向いています。
ちょっと難しいですが「誘導機と同期機の「回転磁界」とは?~仕組み、原理の概念~」が詳しい。
三相電源のみのメリット
n個の電流を等間隔(360°/n)にずらして配線すると、バランスが取れれば各瞬間の合計はゼロになります。
つまり中性線(帰りの線)が要らなくなり、線の本数を減らせる=銅の使用量を減らせるというメリット。
二相電源は下記に述べる理由で採用できないとなると、最小の配線で上記のメリットを得られます。
三相以外はなぜ使われない
過去の二相方式

安定した電源を取るためには位相を90°もしくは180°ずらす必要があります。まず直感的な180°から。
180°位相をずらした場合、電流×電圧で電力を求めて重ね合わせると、電力量2倍の単相電源と同義。
また磁界は上下を繰り返すだけなので、回転磁界が作れず始動には他のきっかけが必要になります。

90°の場合は回転磁界を作ることができますが、後述する使用電線量にメリットがありません。
四相電源、五相電源、…

結論から言えば、三相以上の電源でも回転磁界と一定電力を得ることは可能です。(2^n電源以外)
2の階乗で表せる電源(2,4,8,16,…)の場合、二相方式の説明からn倍の電力を持つ二相電源と同義。
それ以外の場合は必要な使用電線量が増えていく一方なので、特にメリットがないため使われません。

- 単相2線: 基準を1とする
- 二相4線(本来・90°): 単相とほぼ同じ(節約なし)
- 三相3線(120°): 単相の約1/4で済む
- 四相4線・五相5線…: 三相と同じ1/4止まりで、それ以上安くならない
三相電源についてもう少し
三相電源について三相電源には3線と4線が存在して、それぞれ3D3W、3D4Wと表記します。
三相3線はまた表記方法としてPEとN相が存在します。
PEはProtectiveElectricの略で配電盤において三相電源はRST、UVWと表記されます。
RSTと呼ばれる理由として有力なのが「○Round、Suquare、△Triangle」の頭文字をとったというものです。
(今後追記予定)
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