幼稚園の遠足で行った名もなき博物館がずっと印象に残っていました。
手がかりは「大きな木が上層階まで突き抜けている」という記憶のみ。
15年ごしに見つけた博物館は、期待を裏切らない素晴らしい場所でした。
小さい頃の記憶
小さい時の記憶の中で、ずっと曖昧なまま残っているものってありますよね。
自分の場合はそれが顕著で、本当の記憶か夢なのか分からなくなることも。
今回の博物館はそんな記憶の中でもかなり信憑性の高いものでした。
それは幼稚園のときに通っていた、体操教室の合宿で行った場所だったから。
他の場所にも行ったはずですが、なぜか博物館だけの印象が強いです。
おそらくそれは唯一残っている記憶が「施設を突き破る巨大な木」だったから。
自分の記憶では、博物館は上階が入り口で、目の前に巨大な木が。
その木は博物館の天井まで伸びており、聳え立ってというものでした。
小学生で読んだ「悪者は夜やってくる」に出てきた「インターナット」みたいに。
この作品を読んだことで記憶にある程度の改竄が加わった点は否めません。
ただ自然に博物館と、その大きな木だけは深層心理に留まり続けました。
親にも尋ねてみたことがありますが、調べるのが面倒で流れていました。
ある予感
今回ある目的で小田原に行く機会があり、マップで観光地を見ていました。
そこで開いた博物館が何となく見覚えのあるところな気がしました。
何よりも博物館の名前が特徴的で記憶の奥の方で閃くものがありました。
ここがもしかしたらあの博物館ではないか…根拠はないのにそんな感じが。
はやる気持ちを押さえ、期待しすぎないよう保険をかけつつバスで向かいました。
入り口が2階にあることから可能性は高くなりました。
ちょうどそのとき突然の雨に降られ、昔も雨が降っていたような気がしました。
入り口に大きな木はありませんでしたが、特徴的な天井が見覚えある気が。
さらに入り口の手話付き映像を昔見たことある気がしてきました。
地球博物館の良い所
石関係が多い
この博物館の面白いのは地球の誕生からその歴史に焦点を当てている所。
大量の隕石の展示から始まり、暗闇に多くの鉱物と化石が現れます。
石が好きな自分としては非常に嬉しい展示となっています。
アンモナイトの壁は一面がすべてアンモナイト、そしていくら触ってもOKという神仕様。
また、過去の化石と現在の生物を比較するように展示するのもポイント高い。
動物と恐竜が並んで展示されているのは説明できませんが非常に熱いです…
熱盛ィ!
失礼しました、「アツモリソウ」が出てきてしまいました。
近くで見られる
さらにガラスや柵が少なく、標本を非常に近くで見られることも特徴です。
ツチブタやサイなど動物の標本は覗き込むように見ることができました。
一方で手前の標本がいくつか修理中で、子供にどう対処するかが課題。
今まで見た中で最も巨大なリュウグウノツカイの標本があります。保存状態も非常に良かったです。
下のシイラが小さめの個体を選んでいるところに若干のずるさを感じてしまったりしたけれど…
標本展示のこだわり
もう1つは展示の仕方にこだわりが見られるところ。特に昆虫ゾーン。
これでもかというモルフォ蝶の大群は非常に綺麗(構造色の説明欲しい)
他にも多くの昆虫が展示されており、警察の押収品を思い出しました。
大きな木
さて昔の話に戻って。記憶にあった大きな木というのはこの展示でした。
確かに博物館中心ではないですが天井まで突き抜けており、圧巻でした。
エレベーターを登るときにその巨大さがわかり、自分の中で改変されたのでしょう。
二階の展示
ニ階の展示が良かっただけに一階は少し物足りないと感じました。
神奈川県の自然に限定されているのが残念、科学技術や未来の話がいいな。
]途中にあった絶滅種のコーナーは物悲しい音楽も相まってちょっと怖い…
神奈川県の話をメインにしつつ、環境問題なども取り上げているブースがあるのは良かったです。
ただどうしても古い感じの印象が抜けていないため、リニューアルに期待したいですね…!
ジャンボブック
ひと昔の展示ですが、内容を辞典のページに準えるコーナーは面白い。
個人のコレクションが多く、苔の拡大模型やキノコを食べ方の視点で見たり。
カニをカニとヤドカリに分けて展示しているのがちょっとツボでした。
博物館の中には立派な図書館もあり、おそらく書籍を借りられます。
科学雑誌もあり、Newtonの量子もつれ特集があったので少し読んでいました。
自然科学ならここに通っていれば十分では?というレベルで羨ましい…
全体を通して
全体や個別の展示に感じて中の人のこだわりが感じられるとても良い所。
特に石に関しては本物を多数用意しており、触れることのできる経験は大きい。
上の階の展示をもう少し充実させて科学技術や未来について触れて欲しい。
個人的に好きな展示で、科博の地球の歴史を一周で学べるものがあります。 (上の写真)
本博物館はそれの拡張版という認識なので、最後の部分の充実を求む!
相変わらず自分で良いものを覚えているものだと嬉しくなった訪問でした。
どんなに一瞬でも記憶の海に漂っているものは、いつか何かと結びつく。
これからも刺激を求めながら、色々なことに触れて行きたいと思いました。
もう少し文章と写真を追加して、改めてブログ記事にしようと思います!
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