【Cp/Cpk】工程能力指数の基礎を標準偏差と正規分布から説明

大学生活

製造分野に関わる人なら一度は聞いたことがあるかも知れない「工程能力」ですが、何だかとっつきにくいかも…

何となくの意味はわかるけど、数字が多くて覚えられない…という人のために意味を含めて説明してみます。

よくわからない部分や理解に関して間違っている部分があれば、遠慮なくコメントいただければと思います!

Cp/Cpkとは

工程能力とは

工程能力指数(英語: process capability index)とは、品質管理の分野において、ある工程の持つ工程能力を定量的に評価する指標の一つである。工程能力は工程が管理状態で、かつ、安定した状態で予測可能な場合のみ評価できる。Joseph M. Juranによって提案され、多くの改良が加えられていった。

Wikipedia

工程能力は製造プロセス(設備が作った製品)が仕様範囲内で、どれくらい一貫しているかを評価する指標です。

もっと簡単に言うと、作った製品のバラツキがどれくらいの大きさなのかを評価するための数値となります。

工程能力の評価には、主にCp(工程能力指数)とCpk(補正した工程能力指数)を用いることが多いです。

Cpの意味

工程能力指数Cpは、製品のばらつきを標準化した値で「理想的な状態での」仕様範囲内での一貫性を示します。

特徴は製品のばらつきが完璧な正規分布に従い、平均値と中央値が一致する場合に使える指標という点です。

Cpkの意味

補正した工程能力指数CpkはCpを製品の平均値との差を考慮して修正した値で、より現実に即した指標です。

特徴は平均値と中央値が一致する必要がなく、平均値が上限値から下限値の幅のどこにあるかを考慮する点です。

Cp/Cpk算出に使う知識

標準偏差の意味

標準偏差はデータが平均からどれくらいばらついているかを示す指標で、Cp/Cpk算出において重要な要素です。

各データと平均値の差をすべて合計し、データ数で割ったいわゆる「”平均値との差”の平均」になります。

二乗してルートの計算をしているのは、平均値との差が正負の両方あり、それをすべて絶対値で計算するためです。

正規分布の意味

正規分布はデータが平均値を中心に分布する統計的なモデルで、多くの自然現象や製品のばらつきを表現します。

数式については今回用いず算出も難しいため、気になる方はこちらの記事を読んでみるとよいかもしれません。

平均値と中央値が一致する、左右対称の釣り鐘型である、ばらつきが小さいほど幅が狭くなることがポイント。

正規分布における標準偏差の関係

標準偏差は平均値との差=ばらつきを示しており、ばらつきが小さいほど正規分布グラフは細くなります。

作った全ての製品が平均値に近ければ、おのずと分布のグラフが平均値に寄るイメージです。

また正規分布のグラフにおいて、標準偏差σのn倍の範囲内には決まった割合の製品が必ず入るようになっています。

Cpの意味を式から考える

分子: 上限値と下限値の幅

Cpの分子は製品の仕様範囲の幅です。これが広いほどCpが小さくなり、品質の不安定性が増します。

分母: 正規分布の約99.7%

Cpの分母は標準偏差を使って正規分布の約99.7%を表します。この部分で製品のばらつきを正規化します。

全体: 製品の99.7%が範囲内に入っているか

CPが1より大きければ、製品のばらつきが仕様範囲内で収まり、品質が安定していることを示します。

Cp≧1.33である理由は、範囲のばらつきにさらに余裕をもたせるためです。

片側管理幅が4σは確保してほしい、という意味が込められており、片側管理幅4σ÷3σ=1.33となります。

製品の品質のバラツキであるσに対して、両側あわせて8σの幅があれば)、管理幅を超えるような不良品はほとんど出ないことに由来しています。

※個人的にはそれなら8σで割ってCpkだいなり1で見ればいいのでは?と思ってしまいます…

Cpkの意味を式から考える

分子: ばらつきの幅の半分

CPKの分子はCPの分子を製品の平均値との差で修正した値です。これがCPKの製品の実際のばらつきを反映します。

分母: 正規分布の約99.7%の半分

CPKの分母もCP同様に標準偏差を使って正規分布の約99.7%の半分を表します。

全体: ばらつきの半分が正規分布の約99.7%の半分の範囲内に入ってさいるか

CPKが1.33より大きければ、製品の品質が高く、仕様範囲内での生産が確立されていることを示します。

1.33である理由はCpと同じ理由ですが、上に戻るのも大変なので再掲しておきます。

製品の品質のバラツキであるσに対して、両側あわせて8σの幅があれば)、管理幅を超えるような不良品はほとんど出ないことに由来しています。

工程能力Cp,CPK まとめ

これらの基本的な概念を理解することで、製品の品質管理においてCpとCpkを有効に活用できます。

1.33に入らない場合の判断は以下の3つの観点から妥当性を判断することが大切になってきます。

1.問題発生時の影響度
2.問題発生時の検出場所
3.工程能力維持に必要なコスト

https://life-notenki.com/through-working/working-tips/12112/

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