
ロケットと並行して勉強していきたいのが、電気自動車です。(そもそも普通の自動車もあまり詳しくない)
Twitterでもトヨタは正しいのか、それともテスラに負けるのかという議論が絶えない難しい分野のようです。
意見を持つにしてもきちんと根拠を示せるように、10冊本を読んで学んだことと感想を書いていきます!
トコトンやさしい電気自動車の本
わからない内容について学ぶときの1冊目「トコトンやさしいシリーズ」は、前半はいいけど後半がね…
はじめの軽いノリで専門的な話をサクッとするので、モータとインバータの部分は結構飛ばし読みでした。
モータやインバータ、他にもパワー半導体などはそれぞれの初心者本を読んだ方が良いかもしれません。
かつては電気自動車ブームがあったことは驚き、ガソリン車の効率が悪い時期は確かに出てもおかしくない。
電気自動車に大切なのは「モータ・電池・インバータ」の三種類で電池からインバータで交流にして利用。
エンジンのエネルギー損失がかなり大きいこと、モータは広い回転数での利用に有利などの利点がわかりました。
一方でハイブリット車はそれぞれの良い部分を利用できることもあり、日本車の戦略にも納得がいきました。
トルクという概念がいまいちよくわかりませんが、調べたらモータは回転数が上がってもトルクは一定らしい。
決定版 EVシフト―100年に一度の大転換
野村総研の自動車コンサルの方々がまとめている、EVのメリットデメリットや世界的なEVへの動きなど。
とっつきにくい表紙の割には非常に読みやすく、初心者向けにざっくり理解するには良い本かもしれません。
EVは主要部品がモータ・電池・インバータになることでTier1の企業や途上国も参入しやすいのは初耳かも。
まだ課題の多いEVですが、ものよりも仕組みの方を各国がごり押ししていることもありのんびりできません。
多少楽観的なガソリン車ひいきをしていたので、まだ時間はあるけれど大変化は近づいているという印象。
全方位戦略をとっていたトヨタが、テスラの猛攻を受けて大きく見直しに入ったというのも納得がいきました。
日産リーフは知っていましたが、そこまで日産グループがEVで強い立ち位置にいたとは知らず(サクラもあるし)
ただコロナウイルスや米中のデカップリングがそこまで反映されていない気がするので最新版が読みたいかも。
電気自動車の”なぜ”を科学する
レース参戦経験もあるフリーランスの著者が、日産自動車から全面的な協力を得て書いたEV(リーフ)の本。
基本的な説明から始まり、一般的に疑問として浮かぶ不安点をリーフのシステムを基に解説している良い本です。
EVの代表として挙げられるTesla社は、安全面に対して日本車と比較するのは違うのではと違和感がありました。
「EVは仕組みが簡単だから誰でも作れる」と言う人たちは、日産の対策をないがしろにしていると思います。
エンジンと比べるとエネルギー効率は圧倒的に良く、電池なども課題を除けばやはりEVは優秀という印象。
しかし動力を除けば安全対策や冷暖房に関しては、基本的に仕組みが同じというのは考えたことがなかったです。
感電しないのかという疑問に対し、雨のときや事故のとき、雷が落ちたときなど細かく説明しているのが面白い。
排気機構が必要ないことから自動車下の凹凸がなく、空力抵抗の面で有利になるというのは初めて知りました。
EV新時代にトヨタは生き残れるのか

中国のNEV(New Energy Vehicle)法とアメリカのZEV(Zero Emission Vehicle)規制法がややこしい…
HVに対してジャーマン3がトヨタ潰しを仕掛けたという話は、個人的には信ぴょう性があると思います。
技術革新がないまま次のブームに移行し、政府の補助金でデファクトスタンダードを目指している感じ。
ダイソンがCASEを提唱したこと、ダイソンが自動車業界への参入を発表したのは初耳でした。
変化の激しい中国ではEV新興企業が多いですが、根拠のないブームゆえ需要消滅の可能性が怖いところ。
日本は燃料電池車が主でEVは超小型車というストーリーを描いていたため、世界に出遅れた感は否めません。
日本規格チャデモの評判があまりよくないのは心配で、最終的にスーパーチャージャーの寡占になりそう。
EVが日本で広く受け入れられる可能性は、EVの優位性よりもコネクテッドやマイクログリッドの視点かな?
ほんとうのエコカーをつくろう

題名と実際にEVの型式取得を行ったという内容が気になって借りたゼロスポーツの社長の著書です。
始めに「郵便局に1000台のEVを提供」とあり、そんなものを見たことがないことから違和感を覚えました。
調べてみると納品直前に郵便局から納品を取り消され法的整理を行うに至っていました、悲しみ…
しかし社長はその後フィリピンでEV会社を立ち上げたりフィンテックで自動車に関わったりしています。
パーツメーカーという様々な車種の構造を見ることができる立場を生かしてEVの型式取得をするのは面白い。
垂直構造から水平統合へ、ラインからゾーンへの考え方などなるほどと思う部分もありました。
技術的な話よりは創設者の話がメインでしたが、実際にEVを作った人から見た話は興味深く飽きませんでした。
Mobility 3.0
アクセンチュア戦略コンサルティング本部の自動車に関する人間が集まって書かれた、これからの自動車業界。
主にCASEの話ですが、カタカナ用語が多かったり図が見にくかったりと頭に入りづらかったのは気のせい?
個人的にはAutonomousが優先だと思っていましたが、まずは兎にも角にもConnectedが必要なのは確かに。
変化に伴い大きく影響を受ける業界として金融が挙げられていたのが興味深い、課題は目立たず普及すること。
自動車の所有者が減ることで性能やデザインよりも、安さや便利さ安全性に優先度が移るのも面白い考えです。
それらを踏まえてどのように戦って行くかが業界別にまとまっており、自動車会社の2つの戦略が目から鱗。
ソフトバンクのようにあらゆる分野でNo.1を見極め、大株主として関わっていくのも賢い選択だと感じました。
コメント
いつきさん
お元気でしょうか?
以前、いつきさんのブログを楽しみに読ませて頂いていたまいなんです。ご無沙汰しております。大学院に進学されたのちも充実した学生生活を送っていらしたのですね。なかなかブログを拝読できずにいて。でも、昨日ふとした瞬間にあなたのブログにワクワクとドキドキ、見たことのない景色を共有させて頂いたことを懐かしく思って、再度こちらを訪問させていただきました。
4月からは社会人ですね。就職おめでとうございます。我が愚息にもあなたの前向きさ、バイタリティを分けていただきたいものです。
私事ながら、現在、東京医科歯科大学という所の研究室に職を得て、あなたや愚息のような若い研究者の支援員として、理系の世界に身を置くようになりました。
沢山の可能性と、豊かな感性を持ったいつきさん、新しいステージでも、ますますご活躍下さい。
そして、長万部で共に過ごした我が愚息のことも思い出していただけたら母は大変嬉しいです。
よろしければこれからも、あんな子ですがずっと末永くお友達でいていただけますと幸いです。
いつきさんの輝かしい未来に幸多き事を願っています。どうかお体に気をつけて、あなたらしくお過ごしください。
あなたのブログ、沢山の世界を見せてくださって
本当にありがとう。お元気で。
まいなん
まいなんさん、お久しぶりです!
頂いたたくさんのコメントはブログを書くモチベーションになっていました。
医科歯科ですか!理系では有名な名門大学で東工大との合併も発表されたのでよく存じております。
自分は就職して社会人となってしまうため、大学生と関われる機会があってうらやましいです!
できればブログは存続させたいと思っているため、思い出した時にでも訪れていただけたらと思います!
まいなんさんもお体に気を付けてお過ごしください。
いつき