感想文

「ファクトフルネス:ハンス・ロスリング」感想!正しい世界の姿とは

更新日:

ファクトフルネス:ハンス・ロスリング

世界は先進国と発展途上国の二種類に分かれており、世の中では悪いことが減るどころか増えており、私たちは何もできない。

そんな印象を持っている日本人の考えを根本から覆す本が出版されていたので読んでみましたが、目から鱗でした。

ということで今回は、「ファクトフルネス 10の思い込みを乗り越え、データをもとに世界を正しく見る習慣」の内容と感想を書いていきます!

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

「ファクトフルネス」の作者

この本の執筆者は石であり、公衆衛生の専門家であり、またTEDトークの人気スピーカーでもあるハンス・ロスリング氏と彼の息子のオーラ、その妻のアンナの3人によって執筆されています。

彼は末期のすい臓がんで余命1ヶ月を宣告された際にすべての用事をキャンセルし、この本を作ることにしました。

彼はこの本の完成を見ることはできませんでしたが、彼の著作は死後に大ヒットし、彼の葬儀には多くの人が訪れ死を悼みました。

「ファクトフルネス」の内容

まえがき

まずこの本は筆者からの13問のクイズから始まります。

多くの人はこの問題を解くことで、いかに自分たちが世界に対して間違った思い込みをしているかを知ります。

クイズはこのURLから日本語でチャレンジすることができるので、記事を読む前にやってみて欲しいです。

http://forms.gapminder.org/s3/test-2018

ほとんどの国において、正解率は3つをランダムに選んだ時よりもかなり低い結果になっています。

第1章 分断本能

私たちは世界を知らず知らずのうちに「先進国」と「発展途上国」という二つの世界に分けてしまっています。

しかし実際にはそのような区切りは我々が勝手に決めつけていることであり、グラフを見てみるとほとんどの国が二つの中間に位置しています。

そこで筆者は世界を偏りなく理解するために世界の人々を日常生活で見分けられる4つのレベルにまとめました。

分断を防ぐために我々が注意することを3つ挙げています。

平均の比較

我々が情報を理解する際に用いるデータは基本的に大勢のデータを全て足し合わせ人数で割ったものです。

そのため誤った判断をしてしまう事があります。

平均に用いられた人の多くが分布図のどこに位置しているかを確認することで極端なデータでないかを判断できます。

極端な数字の比較

上からの景色

私たちが判断するデータはレベル4の視点から見ているものです。

そのためデータを見ただけでは本当に理解することはできません。

常にそれを頭に置きながらデータを見なければならないと筆者は述べています。

第2章 ネガティブ本能

人間はなぜか喜劇よりも悲劇を求めます。

幸せだったり平和だったりするニュースは悲しいニュースや不安なニュースに比べて放映される回数が極端に少ないです。

そのため我々は世界の科学技術が進んでいても世界からはなお悲しいことや不幸なことが絶えずにいると勘違いしてしまいがちです。

第3章 直線本能

我々はグラフを見る際に無意識にそれまでの推移を参考にしてその後を予測しています。

特に増加しているグラフがある場合、我々はその増加が”ひたすら”続くと勘違いしてしまうことが非常に多いです。

我々が「発展途上国」と呼んでいる国々ではひと家族にたくさんの子供がいます。

しかし生活が良くなると稼ぎに出すためにたくさん産んできた子供が必要ではなくなります。

そのためこの分野においては子供の人口が頭打ちになることは常識になっています。

直線本能に惑わされない方法は、グラフにはいろいろな形があると知っておくことです。

ここで説明するのは横軸がレベルになっていますが、時代が進むにしたがって人々のレベルが上がるので時代と考えても良いです。

S字カーブ

レベル1では横ばいだがレベル2で急増、レベル4では頭打ちになるグラフ。例)初等教育、予防接種

すべり台

レベル1では高く、レベル4では低いもの。例)女性一人当たりの子供の数

こぶの形

生活レベルが上がりつつあるときに増えるが、最終的には減少するもの。例)虫歯の数、子供の溺死

倍増していくもの

直線的ではなく、さらに増加が激しい指数関数的な増加。例)二酸化炭素排出量、旅行距離

第4章 恐怖本能

我々は身近に潜む危険よりも、強い恐怖を感じる危険に対し過敏になります。

例えば飛行機事故で亡くなる確率よりも自動車にはねられて亡くなる確率の方が高いのに、前者を過剰に心配します。

我々が思い込みによって恐怖を感じるものは、思っているよりも悪くないことが多いです。

第二次世界大戦終了後に人々は第三次世界大戦が起こらないと断言することはできませんでした。

しかし30年がたった現在でも世界大戦は起こっておらず、平和な時代が続いています。

戦争が減っているにも関わらずテレビやインターネットで情報を手に入れやすくなったことから我々は世界中で常に戦争が起こっているように感じるようになりました。

実際には世界にある核弾頭は6万4000発から1万5000発に減っています。

恐怖本能から逃れるためには恐怖という感覚に頼らず現実を見ること、リスク=危険度×頻度ということを思い出すこと、行動する前に落ち着くことがあります。

第5章 過大視本能

二酸化炭素排出量はアメリカよりも中国が多く、インドはドイツより多いです。
そのため中国とインドはアメリカやドイツよりも二酸化炭素排出量を厳しく制限すべきであるというのは一見正しく聞こえます。

しかしながらこれは見かけの数だけに騙された数であり、本当に考えなければいけないのは一人当たりの二酸化炭素排出量です。

大きな数字は比較すること、項目の最も大きな項目に注目する「80:20ルール」を使うこと、総数で割り算を行うことを勧めています。

第6章 パターン化本能

我々は無意識のうちに世界の出来事をパターン化して勝手に分類してしまいます。

パターン化は世の中にあふれることを処理する際に非常に重要な考えですが、方法を間違えると全く関係のないモノ度とにそのパターンを利用しようとします。

自分の分類が間違っているのではないかと疑問を持つようにし、もっと適切な分類方法がないかを考えるようにしましょう。

過半数という言葉はとても便利ですが、51%なのか99%なのかが分からなくなる言葉なので注意して使うべきです。

また人の目を引くデータというのは多数派ではなく、例外を用いていることもあります。

自分が普通で他がアホだと決めつけないことも大切です。分断本能にもあったように我々の見方はこちらの世界での常識なので他の場所では通用しないこともあります。

第7章 宿命本能

貧困国は何があっても絶対に富裕層のような暮らしにたどり着くことはできないという人がいます。

宿命本能とは持って生まれた宿命によって、人や国や宗教や文化の行方は決まるという思い込みの事です。

宿命本能に囚われないためには、ゆっくりとした変化でも変わっていることを理解すること、積極的に知識をアップデートし何年も前の世界にこだわらないこと、自分と世代が異なる人の話を聞き、彼らの世界でさえ大きく変わったことを知っておくことです。

第8章 単純化化本能

特に専門家に多いのが、自分の分野でうまく言った方法を何も考えることなく他の事柄にも当てはめようとすること。

ひとつの視点だけでは世界を理解することはできないということを我々は常に覚えておかなくてはなりません。

単純化本能を回避するには自分の考え方が合理的であるかを検証し、たまたまうまくいった方法に固執してないかを確認すること、知らない分野に関しては知ったかぶりをせず、専門家に頼る必要を認めること、単純な見方や単純な答えには警戒することが挙げられます。

第9章 犯人捜し本能

何か悪いことが起きた時、単純明快な理由を見つけようとするのが犯人捜し本能で、誰もが一度は経験したことがあるのではないのでしょうか。

犯人にされることが多いのはビジネスマン、ジャーナリスト、難民、外人、強力なリーダーなどですが、実際にこれらの人物には我々が思っているほどの影響力は存在しないようです。

事実を歪曲すると思われているジャーナリストに初めの問題を出したところ、正解率はやはりチンパンジーにランダムに選ばせた確率よりも低くなりました。

つまりジャーナリスト自身も正しい情報が分かっていないため、ニュースが偏ったものになってしまうということ。

我々が考えなくてはならないのは個人ではなく、その問題が起きている社会的な要因や複数の問題の複雑さです。

また我々が普段享受している社会を機能させている仕組みに目を向けることが大切です。

第10章 焦り本能

人間は猛獣などから隠れていた時代からの本能で焦りから恐怖を感じるようにできています。

それを利用したのが販売員の売り言葉やスーパーの「今だけ限定」の言葉です。

焦りは人の行動を起こすための最も手っ取り早い方法ですが、それは時に人々の信用を失ったり取り返しのつかない失敗に繋がってしまうことがあります。

焦り本能を防ぐ方法は今すぐ決めないと思ったら深呼吸すること、焦っているときこそ落ち着いてデータを見る、極端論や過大な予測を信じないなどががあります。

第11章 ファクトフルネスを実践しよう

筆者は最後にこれまでに触れてきたファクトフルネスを実際に使ってみることを勧めています。

頭ではわかっていても「本能」を変えることはなかなか難しいので実践することで身につけましょう。

ファクトフルネスの大まかなルール

  • 分断本能→大半の人がどこにいるか
  • ネガティブ本能→悪いニュースの方が広まりやすい
  • 直線本能→直線はいつかは曲がる
  • 恐怖本能→リスクを計算
  • 過大視本能→数字を比較する
  • パターン化本能→分類を疑う
  • 宿命本能→ゆっくりでも変化している
  • 単純化本能→一つの知識をすべてには応用できない
  • 犯人捜し本能→誰かを責めても解決しない
  • 焦り本能→小さな一歩を重ねる

「ファクトフルネス」の感想

この本を友人に勧められたとき、僕は新聞などを読んでいるのである程度できるだろうと高をくくっていました。

しかし実際にやってみると本当に2問しか解くことができずに愕然としました

ファクトフルネスは私たちがわかっていながら実際にやってしまいがちな情報の受け取り方を実際のデータに沿って教えてくれます。

しかし一方でこのデータがすべて正しいと思うこともある意味危険だとも思いました。

筆者自身が述べているように「情報は常にアップデートされるもの」だからです。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

ブログランキング

記事下

-感想文

Copyright© 樹の大学生活リポート! , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.