
みなさん、こんにちは!
学生リポーターの樹(いつき)です!
今回は、「鹿の王 -還って行く者」-について書いていきます!
今回のあらすじ
不思議な犬たちと出会ってから、
その身に異変が起きていたヴァン。
何者かにさらわれたユナを追うヴァンは、謎の病の背後にいた
思いがけない存在と向き合うことになる。
同じころ、移住民だけが罹るとうわさされる病が広がる王幡領では、
医術氏ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。
ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが、愛する人々を守るため、
この地に生きる人々を救うために選んだ道は――!?
(引用:裏表紙より)
偶然にして生まれた「キンマの犬」を火馬の民は神からの贈り物ととらえ、東乎瑠を倒し故郷へ帰るための道具として使い始めます。
そんな中とうとうこの物語の主人公、ホッサルとヴァンが対面します。
医学の知識が全くないヴァンにホッサルが簡単に病原菌の話をしていきます。
話を聞きながらヴァンが病気で亡くなった家族を思い出すシーンは感動しました。
今回明らかになった「黒狼病」の発生原因
①東乎瑠帝国がアカファ王国を支配
②火馬の民がユカタ山地に移住
③持ち込んだ麦と東乎瑠の麦が交配し毒の麦となる
④火馬や羊が毒麦を食べ死亡
⑤火馬の民の犬が死体を食べ「キンマの犬」となる
⑥キンマの犬や血を吸ったダニが黒狼病を媒介
⑦地衣類を食べるトナカイや飛鹿は黒狼病に発症せず
⑧それらの動物の乳を食用とする移住民も発症しなかった
感想
初めはこの作品が医療小説大賞を受賞する理由がよくわかりませんでした。
医学というよりもファンタジー要素のほうが強いと感じたからです。
しかし後半になって医学に関する話が一気に増えてきました。
病原菌の話、治療の方法、媒介生物の特定など、ホッサルとその弟子たちが奔走します。
これだけの描写をしながらも、医学関係者ではない上橋さんには驚きです!
この話を書くにあたり、上橋さんは医師、地衣類の専門家、民俗学者などにも話を聞いているとあとがきにありました。
ラストをしっかりと書いて欲しかった
ヴァンとユナはどうなったのか、黒狼病は根絶されたのか、アカファ王国は今後どう なっていくのか…
読者の創造に任せる部分がなかなか多かったと感じました。
やはり後半は話が複雑になった
国同士の事情や各人物の陰謀などが絡まり、正直まだ理解しきれていません。
何度か読みかえして理解したいです。
黒狼病の結論が意外だった
黒狼病がヴァン寄りの結論ではなく、ホッサル寄りの結論におさまったのが意外でした。
ヴァンやユナに起こった異変は魔法などではなく、あくまでも病原菌による症状ということでした。
しかし考えてみれば医学の発達していなかった時代には病気のとらえられ方はこの作品のようだったのでしょう。
まとめ
医学の発達していなかった時代には病気というのはかかってしまったら治ることのない、どうしようもないモノでした。
人々にできるのは祈ること、苦しまないように死なせてやることぐらいでした。
そんな中、病気に治療法があると信じ罰当たりといわれながらも究明に尽力した医者は素晴らしい職業だと思います。
ホッサルのような人物がいたからこそ現代の医学が存在するのだなと思いました!
(後から考えてみればホッサルのほうが主人公っぽくないですか?)
面白かったのでぜひ読んでみてください!
それでは!

